今回の建設IT注目情報 ~環境建築イベント「Better Building, Better World」~

 現在開催中の上海万博のテーマは「Better City, Better Life(よりよい都市、よりよい生活)」です。

 これを受けて、米国のスタンフォード大学と上海の同済大学は、8月16日から20日まで、「Better Building, Better World(よりよい建物、よりよい世界)」と題した環境建築に関するイベントを上海で開催しています。

 イベントのタイトルはもちろん、万博のテーマをもじったものです(関連記事)。

 初日には、日本館の設計にチーフアーキテクトとして携わった日本設計の小林利彦さんが講演しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

日本館のツノと穴

の秘密を欧米やアジアなど十数カ国から集まった参加者に大公開したのです。

「Better Building, Better World」の会場(左)となった上海のプドン・シャングリラホテル(右)(写真:家入龍太)

講演する日本設計の小林利彦チーフアーキテクト(左)と日本館(右)(写真:家入龍太)

 楕円(だえん)のドーム形状をした日本館には、「エコチューブ」と呼ばれる6カ所の穴が建物を貫通するように開いており、そのうち3カ所にはツノが付いています。

 実は、これらの穴は自然の光、水、風を有効に生かし、建物の消費エネルギーを大幅に削減する役割を果たしているのです。

 穴を通して光を建物の奥まで導くほか、穴で集めた雨水を日照時に屋根に散水する機能を持っています。

 さらに、穴の上部に太陽光が照りつけることによって上昇気流が起こるので、これを利用して冷たい空気が穴の下から上へと自然換気するようになっています。

 そして3本のツノは煙突の役目をしており、自然換気の効果をさらに高めています。これらの設計には、コンピューターシミュレーションを使いました。

日本館の環境性能を高める穴やツノ(上段左)と、様々なコンピューターシミュレーション(写真:家入龍太)

 小林さんは、英語で見事に講演しました。そして、欧米人の講演者でもなかなか取れない「笑い」を見事ゲットしたのです。