地下貯水槽からの汚染水漏れや、使用済み燃料貯蔵プールの冷却システムの停止――。事故から3年目を迎えた今も、福島第一原子力発電所は幾多のトラブルに見舞われている。そんな不安定な状況下でも、40年かかるとされる廃炉に向けて、作業は延々と続く。爆発した建屋からがれきを取り除く難工事の進捗を、現場に投入された様々な特殊機械を通して読み解こう。

 鹿島は2月6日、3号機原子炉建屋上部の使用済み燃料貯蔵プールに沈んだ鉄骨トラスを撤去した。吹雪の中、特注の油圧フォークをぶら下げた600t吊りクローラークレーン2台を遠隔操作して、がれきと化した鉄骨トラスを相吊りし、建屋上部から取り除く作業だ。

 5cmほど揚重しては異常の有無を確認し、再び5cmほど持ち上げる作業を、現場のカメラから送られる映像を見ながら繰り返した。

 作業中、吊り上げた鉄骨トラスが破断する事態が発生。二つに分かれたトラスのうち小さい部材を先に撤去し、残る大きな部材を2基の油圧フォークでつかみ直して、建屋南側のヤードに移した。午前10時37分から始めた作業は午後2時6分にようやく終わった。

使用済み燃料貯蔵プールに沈んだ鉄骨トラスを、2台の600t吊りクローラークレーンからぶら下げた特注の油圧フォークで揚重して撤去する様子。遠隔操作室ではオペレーターが隣り合わせに座って、モニターを確認しながら息を合わせて吊り上げた(写真:東京電力)

撤去した鉄骨トラスは長さ約20m、重さ13t。3号機原子炉建屋の屋根材だ。作業前の使用済み燃料貯蔵プール上部の雰囲気線量は毎時25.6ミリシーベルト、作業後は21.3ミリシーベルトだった。写真の白い部分は積雪(写真:東京電力)
鉄骨トラスの撤去中には、別のがれきがプール内に水没。写真中央下には、使用済み燃料貯蔵プールにがれきが落下した際の水しぶきが映っている。東京電力は水中カメラで調査を実施。がれきの位置などを特定して安全性を確認した(写真:東京電力)

左の写真が、がれきを撤去する前の3号機原子炉建屋使用済み燃料貯蔵プール周辺の状況(2011年11月撮影)。中央が、がれき撤去後のプール周辺の状況(13年3月撮影)、右が、がれきを取り除いたプールを鋼製の蓋で保護している様子(13年4月撮影)(写真:3点とも東京電力)