国土交通省は2011年度から、沖ノ鳥島で港湾の整備を始める予定だ。2016年度までの6年間で岸壁や船舶の停泊地などを整備し、島の保全工事や海洋資源開発の拠点などとして活用する。2010年12月24日に、政府が2011年度の予算案として決定した。総事業費は750億円。

 2010年6月に施行された「排他的経済水域及び大陸棚の保全及び利用の促進のための低潮線の保全及び拠点施設の整備等に関する法律」に基づいて整備する。同法律は排他的経済水域を形成する沖ノ鳥島などの保全を図るために制定したもの。

 沖ノ鳥島の環礁などに影響を与えない形で、岸壁を建設。岸壁の前面を浚渫して水深8mの停泊地も確保する。岸壁の背後には島に渡る道路も整備する予定だ。岸壁の長さは明らかになっていないが、合計で150~200m程度になるとみられる。

 沖ノ鳥島は日本の最南端に位置する離島。東京からは約1700km、小笠原諸島の父島からは約900km離れている。約42万km2の排他的経済水域を形成する島で、北小島と東小島のほか、東西4.5km、南北1.7kmの環礁からなる。周辺の海域にはコバルトやニッケルなど、希少金属を含む鉱床が分布するとみられている。

沖ノ鳥島の位置図と概要。北小島と東小島は、ほぼ東西を結ぶ線に沿って並んでおり、西側が北小島で東側が東小島(資料:国土交通省港湾局)

 1987年から93年にかけて、政府は北小島と東小島に円形の護岸をそれぞれ構築。以降、島の沖合に停泊した大型船から小型船などに資機材を積み替えて護岸の保全工事などを実施している。保全工事などに必要な燃料や水、食料などが不足した場合は、約900km離れた父島などにいったん移動して補給しなければならない。

 岸壁などを整備することで、島に大型船を直接接岸して作業することができる。併せて、政府は2010年7月、「排他的経済水域及び大陸棚の保全及び利用の促進のための低潮線の保全及び拠点施設の整備等に関する基本計画」を閣議決定しており、鉱物資源の開発や資源利用を促進する拠点として港湾を活用する考えだ。