土木施設の観光資源化を狙って北九州市がこの春に出版したガイドブック「DOBOKU」が評判を呼んでいる(日経コンストラクション2013年7月8日号78ページ)。市建設局で編集を担当した1人の矢野やよい氏自身も土木技術者。その熱い「ドボク愛」を語ってもらった。

──「DOBOKU」は一般の旅行ガイドブックのような体裁で話題になりました。

矢野 やよい(やの・やよい) 1976年福岡県生まれ。九州工業大学工学部設計生産工学科卒業後、99年に北九州市に土木技術者として入庁。建設局道路計画課、事業調整課などを経て、現在は小倉南区役所まちづくり整備課に勤務。左下は北九州市が2013年春に出版したムック「DOBOKU 思わず行ってみたくなる130選」(写真:イクマ サトシ)

矢野 市では15年以上も前に類似テーマの専門書籍を出していたのですが、そのリニューアルが発端でした。「市制50周年でもあるし、せっかくだから広くアピールしたい」と考えて企画しました。書店での販売も、その過程で浮かんだ話です。

 PR効果を狙うなら、売れる本にしなければ意味がない。編集方針を具体的に考える際には、本当に悩みました。たどりついたのは「行政が見せたいもの」ではなく、「読者が見て興味を持ってくれるもの」を追求するというポイントです。

 技術者が工事の広報資料などをつくる機会はよくありますが、つい全部を紹介したくなる。専門的な話題に突っ込みすぎる手前で止めて、ちょっと面白い裏話を盛り込む。その兼ね合いに気を使いました。