生活に密着したインフラの整備では、ハードだけでなくソフト面の仕組みづくりも重要な課題。つくり手にとっては、後者の充実によって初めて味わえる醍醐味もある。「コミュニティデザイン」をテーマに掲げて全国のまちづくりの現場に関わる山崎亮氏に、ソフト面の仕組みづくりの魅力を語ってもらった。

──住民参加型のまちづくりに多数関わっていらっしゃいますね。

山崎 亮(やまざき・りょう) 1973年愛知県生まれ。99年に大阪府立大学大学院農学生命科学研究科修了後、設計事務所を経て2005年にstudio-L設立。著書に「コミュニティデザイン」(学芸出版社)など(写真:安川 千秋)

山崎 元々は設計事務所でランドスケープデザインの視点から、公園整備などの公共事業に関わっていました。しかし、良かれと思ってデザインした公園が完成後、何年かすると閑散とした場所になっていたりする。次第に、「完成後の使われ方までセットで考えるべきだ」と強く思うようになりました。

 その具体的な活動としては、兵庫県が2001年にオープンした「有馬富士公園」の時が最初でしょうか。開園2年前から、公園の「運営計画」をまとめたんです。まずやったのは、周辺地域で活動する様々な市民サークルなどに声を掛けること。公園を舞台に、「水辺の生き物観察会」や「たこ揚げイベント」といったプログラムを継続的に実施していただくようにしたんです。

 開園当初はこうしたプログラムが年間100回程度で、今は700回ほどに増えました。並行して、公園の年間来園者数も、開園時の40万人から倍増した。市民サークルの活動に興味を持っていた人たちが、プログラムへの参加目当てで公園に来てくれるようになったことが大きい。

有馬富士公園の自然観察会で、地元の市民サークルが運営(写真:studio-L)