ダムや橋といった土木構造物の観光資源化に取り組む例が、全国に広がっている。「土木構造物が人を引き付ける魅力とは、そもそもどこにあるのか?」。芸能界屈指の「ダム好き」として知られる石原良純氏に、自らの原体験や考えを聞いた。

──小学生時代の家族旅行で黒部ダム(富山県)を訪れたのが、興味を抱かれた端緒と伺いました。

石原 良純(いしはら・よしずみ) 1962年神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。俳優、気象予報士。ダムや橋、城、鉄道と時刻表、地図などを愛好。環境問題にも取り組む(写真:安川 千秋)

石原 トンネルを抜けると大自然の中に突然、巨大な構造物が現れて、強烈に驚いたことを今も覚えています。「これだけすごいものを人間が造ったのか…」と。

 叔父(故石原裕次郎氏)が映画「黒部の太陽」に出演したご縁もあり、関電トンネルの難工事の話は、現地に行く前から聞いていました。大破砕帯に遭遇して毎秒何百リットルもの水が湧き、現場で多くの人が亡くなったと。

 その話を最初に聞いた時は、子ども心に「トンネルの中で水が湧くって、どういうことだろう?」と想像できなかった。また、そもそもなぜトンネルが必要だったのかもピンとこなかった。実際にダム本体を見た時、「これを造るためにトンネルが必要だったのか」と初めて納得したものです。