識者はこう見る

水分を多く含む雪が災い

上石 勲 防災科学技術研究所雪氷防災研究センター長

 関東地方では、2月の8日~9日と14日~15日の2回の大雪があったが、建築物の被害が大きかったのは後者だった。原因として考えられるのは、後者のほうが「重い雪」だったことだ。8日~9日の気温はマイナス1~2℃だったが、14日~15日はプラス1℃程度。水分を多く含んだ重い雪が積もった。降り積もったばかりの段階で、前者の単位重量は10N/m2以下、後者は15N/m2程度の荷重だったと想定している。

 雪は時間がたつと締まって重くなる。調査した甲府市では8日~9日に積もった雪が14日時点で残っていた箇所も多かった。これも、被害が大きくなった原因だろう。(談)

設計荷重オーバーで崩壊した

高橋 徹 千葉大学大学院工学研究科建築・都市科学専攻教授

 大規模建築物の被害は、積雪が多かった山梨県ではほとんどなく、東京都や神奈川県などで相次いだ。地域によって異なる設計荷重が影響したとみている。設計荷重は、甲府市では1000N/m2、東京都区部などでは600N/m2に設定されている。

 当日のアメダス(地域気象観測システム)データを見ると、降雨量に換算して関東地方で100mm程度の雪と雨が降った。全て屋根に積もったとして、約1000N/m2の荷重だ。都や神奈川県の建築物では設計荷重をオーバーしたようだ。気候変動が叫ばれているなかで、設計者には柔軟な設計荷重の設定が求められている。(談)