在りし日の鈴木博之氏(写真:日経アーキテクチュア)

 建築史家で青山学院大学教授の鈴木博之氏が2月3日、肺炎のため東京都内の病院で死去した。68歳だった。6日、近親者で密葬を済ませた。本葬は3月24日午後1時から東京都新宿区四谷4の34の東長寺で執り行う。喪主は妻の鈴木杜幾子氏、葬儀委員長を建築家の安藤忠雄氏が務める。

 鈴木氏は1945年、東京都生まれ。68年に東京大学工学部建築学科を卒業し、同大学院に進学。74年に東大専任講師となる。74年から75年にかけて英国ロンドン大付属コートルード美術研究所に留学。東大助教授を経て、90年に教授に。2009年から青山学院大学教授を務めていた。

 西洋建築史の研究を基盤として、モダニズム建築や歴史的建造物の保存運動に尽力。東京駅丸の内駅舎の復元や、国立近現代建築資料館(東京都文京区)の創設に関わった。近代建築や関連資料の保存を推進するDOCOMOMO Japan(ドコモモジャパン)の前代表、2010年からは博物館明治村(愛知県犬山市)の館長を務めていた。

 1996年に「英国を中心としてヨーロッパ建築についての一連の歴史意匠研究」で日本建築学会賞(論文)を受賞。05年には紫綬褒章を受章した。「建築の世紀末」、「東京の地霊」など多数の著作がある。

 鈴木氏と半世紀近い親交を持つ建築家の石山修武早稲田大学教授に、その業績を振り返ってもらった。