読売新聞東京本社が東京・大手町で建設を進めてきた本社ビルが11月28日、竣工した。同じ場所にあった旧本社(地下5階、地上10階、延べ面積6万8609m2)を、地下3階、地上33階の新本社ビルに建て替えた。延べ面積は8万9650m2で高さは200m。8月に一次竣工したばかりの大手町タワーの199.7mをわずかに上回り、大手町エリアでは最も高い建物となる。設計・監理は日建設計、施工は清水建設が担当した。多目的ホールやギャラリーを備えるとともに、遊歩道や屋上庭園を設け、周辺地域で働く人も気軽に立ち寄れる場所にしたという。2014年1月6日に開業する。

完成予想図(資料:読売新聞東京本社)

 地下3階は設備関係、地下1~2階は駐車場となる。地上1階にはカフェやファストフード店、生花店、リラクゼーションサロンが入る。3階には薬局と保育施設、グッズ販売店が入居するほか、ギャラリーや新聞社見学施設を整備する。4、5階は大小2つの多目的ホールとし、6階には診療所が入る。7階は図書館、8階がメディア関連部門、9~11階に新聞の編集に関わる中枢機能が入る。12~33階はオフィスゾーン。読売新聞グループ本社や読売巨人軍が入るほか、19~24階はテナントフロアとする。入居企業は現在交渉中という。

 ビルの特徴は災害に強い構造。特に耐震の仕組みを積極的に取り入れており、読売新聞東京本社担当者は「同クラスの高層ビルでトップクラスの耐震性」と胸を張る。同クラスのビルより鉄骨を3割以上多く使って強度を上げたうえで、揺れを吸収する粘性体制振壁や筋交いを多用して柔軟性を持たせた。ビル上部には長周期地震動を抑える装置を4基設置している。電動で重りを揺れと逆の方向へ振ることで揺れを抑える仕組みだ。また、洪水などへの対応として、すべての入り口に可動式の防潮板を設けた。

 災害対応機能も充実を図った。ビル内の配電網を2系統にして電力供給が途絶えにくくすると同時に、停電時に備えて出力2000kWの非常用発電機を2台用意した。災害の際には帰宅困難者を受け入れる協定を千代田区と結んでおり、最大1060人を受け入れ可能としている。ビル内の保育施設を利用して、乳幼児を抱えた帰宅困難者にも対応する。

本郷通り(西側)に面した正面玄関(写真:赤坂 麻実)

南西の角に三日月状の大型花壇。「大手町は花が少ない印象なので、当ビルの従業員や周辺地域の皆さんの癒やしになれば」と読売新聞東京本社担当者(写真:赤坂 麻実)

南側にはひさし付きの車寄せ(写真:赤坂 麻実)

東側の東京サンケイビルとの間には幅約20m、長さ約60mの遊歩道を設ける。丸の内仲通りが丸の内側から大手町まで延伸してくるのに合わせて、緑豊かな歩行空間を創出する(写真:赤坂 麻実)