ロンドンの新たな象徴に

 ザ・シャードに関しては、ネットなどでも賛否両論で、「美しく、人類が成し遂げた驚異」だとか、逆に「ロンドンのスカイラインにはそぐわないのでは」などの意見が噴出している。このように、一般の人でも建築や街並みに対する興味を持ち、議論する土壌があることが素晴らしい。

 ロイズ・オブ・ロンドンにしても、ポンピドゥー・センターにしても、建設当初は論争を巻き起こした建物も、時とともに受け入れられ、街の象徴とも言える存在になっている。シャードも、すでにロンドンの景観を構成する不可欠な要素へと昇華しつつあるようだ。

サウスバンク。手前はノーマン・フォスター氏の設計によるロンドン市庁舎。過去20年ほど再開発により、この地区にはテート・モダンなど興味深い建築も多く、ロンドンのアートシーンをけん引するエリアとなっている(写真:Arup)

菊地雪代(きくち・ゆきよ)
菊地雪代(きくち・ゆきよ) アラップ東京事務所シニア・プロジェクト・マネージャー。東京都立大学工学研究科建築学専攻修了、設計事務所勤務を経て、2005年アラップ東京事務所に入社。一級建築士、宅地建物取引主任者、PMP、LEED評価員(O+M)。アラップ海外事務所の特殊なスキルを国内へ導入するコンサルティングや、日本企業の海外進出・外資系企業の日本国内プロジェクトを担当。