住まい手は「古地図」で立地の安全性を判断

 【常識】ゾーンには、「リフォーム」「住まいの基礎知識」に次いで、「防災」の設問も多かった。このカテゴリーは、個人的に難しそうに見える設問が多いと感じていたため、この結果には少々驚いた。例えば、次のような設問がある。

Q 地震に対する家の強さに関する記述で正しいのはどれ?
 a 建築基準法を満たしていれば、震度7レベルの大地震でもびくともしない(0点)
 b 建築基準法を満たしていれば、震度5レベルの中地震で多少損傷を受けても修理すれば住み続けられる(10点)
 c 耐震性を高めれば、家具は倒れない(0点)
 d 耐震性の高い家はメンテナンスフリーである(0点)

 建築基準法を知らなければ分からないにも関わらず、95%の回答者が正しいbを選んでいる。
 
 また、同じ配点の選択肢が並んだ設問では、回答のバラつきを見ることで、住まい手の災害に対する意識をうかがうことができた。

Q 災害時のために日ごろ準備しておくとよいことは何?
 a 窓ガラスにフィルムを貼る(7点)
 b 押し入れの奥に非常時用グッズを常備しておく(4点)
 c 家族の連絡方法を確認しておく(10点)
 d 懐中電灯を居間の分かりやすい場所に用意しておく(7点)

 この設問では、73%の回答者が正解であるcを選んだものの、約18%の回答者はdを選んだ。すべての選択肢に点数があるので間違いではないが、窓ガラスのフィルム貼りや非常時用グッズの常備というある種、気負った形の「災害準備」よりも、むしろ懐中電灯を手に取りやすい場所に置くと答えている結果を見ると、日常生活の中で日々災害の可能性を感じている人が多いように感じる。

 同様に【常識】に位置したものの、「防災」ではもう1題、興味深い設問があった。

Q 住まいの立地を選ぶ際、災害に対する安全性を判断するには何をする?
 a 崖地の場合、擁壁の仕様や現状を調べてもらう(10点)
 b 古地図を見る(8点)
 c 現在の地名を見る(4点)
 d 「第一種低層住居専用地域」などの用途地域を調べる(0点)

 10点満点のaを選んだ回答者はわずか27%。それに比べて63%もの回答者がbを選んでいる。bも10点に次ぐ8点なので、決して間違いとはいえない。だが、プロである出題者が考える住まいの立地の安全性を判断する軸と、住まい手である回答者の考える軸が異なっていることが如実に表れた。