タブレット端末の市場が成熟するのに伴い、高性能に特化したモデルをVAIOや米マイクロソフト、米アップルが発表、発売している。ディスプレイサイズの大型化が進んでおり、ペン入力に力点を置く点が共通する。代表的な高性能タブレットが「モンスタータブレットPC」を標榜するVAIOの「VAIO Z Canvas」だ。

●各社の高性能タブレット
図1 米国でも発売したVAIOの「VAIO Z Canvas」。ほぼA4用紙と同じサイズの12.3型のディスプレイを採用
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 イラストレーターや映像作家などのクリエーター向けに発売された製品で、ディスプレイサイズは12.3型とA4サイズ相当。米インテルのCPU「Core i7」、8GBのメモリー、256GBのSSDを搭載した(スペックは個人向け標準仕様)。プロ仕様らしく、ディスプレイは高精度な色再現率を実現し、描き味を調整できるデジタルスタイラスペンが付属する。

 国内では2015年5月に発売したVAIO Z Canvasだが、10月からは米国でも販売。販売の中心となるのは米マイクロソフトの直営店舗「Microsoft Store」と、オンラインサイトの「microsoftstore.com」(米国居住者のみ対象)。米アドビシステムズ主催のカンファレンス「Adobe MAX 2015」でVAIO Z Canvasの米国モデルをデモするなどのプロモーションを展開した。

 一方でマイクロソフトも自ら高性能タブレットを展開する。2012年から手掛けるWindows搭載タブレットの「Surfaceシリーズ」に、ハイスペックモデルの最新版「Surface Pro 4」を追加した。ディスプレイサイズは12.3型。インテル製の新世代CPUである「Core m3」「Core i5」「Core i7」をランクに応じて採用、OSはWindows 10 Proを搭載する。付属の専用ペンである「Surface ペン」も再設計されており、1024段階の筆圧感知機能を備えた。Surfaceシリーズは別売の専用保護カバー兼キーボードと一体化することで、当初から“ノートパソコンスタイル”を推し進めてきた。Surface Pro 4でもそれを踏襲。米国とカナダでは10月26日、国内では11月12日に発売する。

図2 米マイクロソフトの「Surface Pro 4」。厚さは8.4mm。「Core m3」を搭載するモデルの場合、重さは766g、バッテリー駆動時間は最大9時間
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 Surface Pro 4のライバルと目されているのが、アップルが11月に発売予定の「iPad Pro」。「iPad Air 2」に比べて2倍のCPU性能向上をうたい、ディスプレイサイズも9.7型から12.9型へと大型化。専用の「Smart Keyboard」(別売)によってノートパソコンと同等のスタイルで使えるほか、反応速度と描き心地に注力したペン入力機器「Apple Pencil」を別途用意するなど、Surface Pro 4と同じくハイブリッドな利用も想定する。

図3 米アップルの「iPad Pro」。別売のApple Pencilを前面に押し出し、クリエーターにもアピールしている。ディスプレイサイズは12.9型
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 ただし、マウスが利用できない、モバイル向けのiOSを採用するなどの点で、iPad Proをノートパソコン(「MacBook Pro」など)の代用で使うのは現状では難しい。“プロ仕様”のiPadがどのように受け入れられるか、発売後の反応に注目が集まる。

出典:日経パソコン 2015年11月9日号
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