タレントとミュージシャンによるLINEのやり取りとされる画像が週刊誌に掲載され、その内容や流出経緯が話題となっている。流出経緯は明確ではないものの、掲載画像の特徴から「クローンiPhone」を使った可能性が指摘されている(図1)。

●LINEのやり取りがリアルタイム中継に
図1 クローンiPhoneを利用した情報流出のイメージ。2人だけでやり取りしているつもりのメッセージが、もう一台のクローンiPhoneからのぞき見できる
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 クローンiPhoneは、バックアップデータを転用して特定ユーザーの利用環境をそっくり複製したiPhone端末だ。端末の認証パスワードが分かれば、LINEに限らずTwitterやFacebook、メールなど個人情報満載のアプリを操作、閲覧できる。

 LINEは本来、アカウントが1台のスマートフォンにひもづく仕組みで、同時に複数のスマートフォンからは利用できない。しかし週刊誌の記事掲載後、いわゆるクローンiPhoneを使った限定的な条件において、複数端末から同一アカウントのやり取りが見られることをLINEが発表した(図2)。この発表ではほかにも、パソコンやタブレット端末を使ってメッセージがのぞき見される可能性を指摘している。ただし後者の場合は他端末からアクセスされると通知があるので、のぞき見されていることはすぐに本人に分かる。

図2 週刊誌の記事掲載後、いわゆるクローンiPhoneが使われた場合など、LINEメッセージがのぞき見される可能性について運営会社が見解を発表した
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 クローンiPhoneの作成作業自体は簡単で、iPhone同士の機種変更の際に利用者自身が結果としてクローンiPhoneを作り出す場合もある(図3)。一方で第三者がほかの人のクローンiPhoneを作成するには、iPhone本体の準備やバックアップデータと認証パスワードの入手など、周到な準備が必要だ。個人情報の流出という観点からはクローンiPhoneによるのぞき見よりも、パスワードの使い回しによるWebメールへの不正アクセスの方がハードルが低く、注意すべきだ。

図3 パソコン用のiTunesを使えば、手軽にiPhoneのバックアップデータを作成できる。こうしたデータにアクセスできる人物であれば、クローンiPhoneの作成作業そのものは難しくない
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 本来LINEやメールなどの通信内容ののぞき見は違法性が高く、のぞき見する側に非があるのは明らかだ。しかしながら、のぞき見されて困る内容を書き込まないといった自衛策も考えられるだろう。

出典:日経パソコン 2016年2月22日号
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