冷戦時のような、「偵察衛星でしかできない、国にとって絶対必要な情報収集」という用途はすでに存在しない。冷戦時に開発された偵察衛星技術を転用した民間地球観測衛星は、偵察衛星並みに精細な衛星画像をごく当たり前に世界中を相手に販売している。

 そして、デジタル技術の進歩により、アマチュアのサテライト・ウオッチャーでも、秘匿されているはずの衛星を地表から観察し、軌道を特定し、その形状を撮影できるようになっている。

 この状態で日本政府が、特定機密保護法の壁の向こう側で情報収集衛星(IGS:Information Gathering Satellite)を年間600億〜700億円かけて運用する積極的な理由には一体何があるだろう。この投資が割に合うものだとしたら、いったい恩恵はどこにあるのだろうか。

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