グーグルのメガネ型デバイス「Google Glass(グーグルグラス)」の販売が2015年1月19日(米国時間)をもって中止になるというニュースが1月15日(同)に世界を駆けめぐった(関連記事:Google GlassプロジェクトがGoogle Xから卒業、独立した部門に)。そのニュースを聞き、グーグルはずいぶん成熟した判断を下す企業になったのだなあと感じた。

 周知のように、グーグルグラスはグーグルの先端的、実験的なハードウエア製品として、先端研究グループの「グーグルX」で開発が進められてきた。一般販売の前に「エクスプローラープログラム」が先行し、開発者や先端的なガジェットに関心のある人々に1500ドルで販売してきたのだが、今回はそれをやめるという決断だ。

グーグルが販売を中止した「Google Glass」
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 当初、「グーグルXで開発が行われてきたグーグルグラスが、ここを卒業します」という発表を目にして、いよいよ一般向けに販売が開始されるのかと勘違いした。開発者らからのフィードバックを反映させて製品をさらに使いやすくし、もちろん価格も下げて売り始めるのだろうと思ったのだが、中止とは意外である。

 この発表に混乱した人々も多かったようで、本当に中止なのか、それともデザインを変えて続けられるのかが分からないという声が上がった。結局は、一般消費者向けの販売はとりあえず中止。デザインを変えてB2B製品としての販売が検討されるということのようだ。B2Bとは、企業向けや病院などと思われる。外で作業をする人々や手術を含む医療現場など、特殊な状況での利用が有効なケースだろう。

 実際、ここまで開発が進み、名前も広がっていた製品の販売を中止するのは大きな決断だっただろう。2012年、グーグルグラスが発表されたのと前後して、音楽をストリーミングする不思議な球体の製品「Nexus Q」もお披露目されたが、これはその後、すぐに開発中止となった。それに比べるとずいぶん長続きしていたからだ。

 シリコンバレーのようなところにいると、最初は奇妙に見えたグーグルグラスも、着用する人をあまりによく見かけたため、かなり見慣れた景色となっていた。一般販売が始まると世界中の人々がこういう景色を当たり前と感じるようになるのかもしれない、などと想像していたほどだ。

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