Macユーザーにとってまた頭が痛い季節がやってきた。確定申告。昔と違って、今はMacで使える会計処理ソフトやiPadだけで申請書が作れるアプリも多数登場した。これらを使って申告書を作成し郵送すれば済む話だが、このデジタル時代にわざわざ紙を印刷して、封筒に入れ、ポストに投函するなんて、ITコンシェルジェの名がすたる。国税庁は約100億円もかけて「納税者の利便性向上を目指して」e-Taxを含む電子申請の仕組みを10年以上も整備してきているので、さすがに今年は大丈夫だろうと調べたら、またまた現行Macでは門前払いをくらった。

納税申告にかかわる作業合理化のために巨額を投入

 国税庁が納税者の申告事務に伴う負担を軽減するために平成16年から整備してきた国税電子申告・納税システム。システムには大きく分けて2つの仕組みがある。Webサーバー上に用意した入力システムを使って手早く確定申告書を作る「確定申告書作成コーナー」と、でき上がった申告書を公的個人認証サービスに基づく電子証明書を使って電子データとして管轄の税務署に送るe-Taxシステム。どちらかといえば、こちらがキモの部分。

 前者の「確定申告作成コーナー」の方はオンラインショップなどと基本的には同じ、ごく一般的なWebシステムだ。複雑な税法上の算出基準を組み込んであり、所得金額に応じて税率を計算したり、社会保険料や医療費などの控除額を自動算出したりしてくれる。従って、源泉徴収票や、かかった医療費の領収金額などを打ち込んで行くだけで、確定申告書ができ上がる。テレビのコマーシャルなどで有名人が税務署を訪れ、笑顔で「思ったより簡単でした。アッという間にできちゃいました」と宣伝しているのはこの部分。

 後者は技術的にはもっと難しくて、ICカードの住民基本台帳カードに納めた電子証明書(公的個人認証サービスに基づくセキュアなデータ)をパソコンに読み込ませ、提出したい確定申告書に付与して税務署に送る、という仕組みだ。この部分がe-Taxの重要な部分で、納税者である利用者の利便性を高めるのはもちろん、税務署の審査作業も劇的に合理化する。電子的に処理できるために課税額算出がスピードアップされる他、署員の仕事も大幅に合理化されるメリットがあると国税庁は考えている(図1)。

図1 国税庁の取り組みを報告する「国税庁レポート」の2014年度版。ITCの活用で納税者サービス向上を図るe-Tax事業などについての詳しい説明がある。原本は以下のURLからダウンロード可能(https://www.nta.go.jp/kohyo/katsudou/report/2014.pdf)。
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