Windowsの次はスマートフォンが標的?

 Android OSを搭載したスマートフォン、いわゆる「Android携帯」の危険が高まっている。Android搭載機を狙い打ちするウイルスが登場。その数を増やしているからだ。

 セキュリティ対策ソフト大手のシマンテックが、最初にAndroid携帯向けのウイルスを発見したのが2010年夏。当初は英語版のウイルスばかりだったが、2011年に入って日本語アプリに仕込まれたウイルスも見つかった。

 Android携帯がウイルスに感染する流れの一例を紹介しよう(図1)。ウイルス作成者は、有料の正規アプリにウイルスを仕込んだ改造版を作り、無料のアプリとして公開する。ウイルス付きとは知らないユーザーが無料だからと飛びついてインストールすると、ウイルスに感染する。

図1 あるウイルスの例。本来は有料のアプリを改造してウイルスを埋め込み、無料アプリとして公開。無料に引かれてインストールすると、ウイルスに感染する
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 これまで発見されたウイルスは、メールを自動転送してプライバシーを侵害したり、バックドアと呼ばれる侵入口を作り、攻撃者が端末を自由に操れるようにするものがあった。また、攻撃者からの指令を受けて他のサーバーを攻撃する「ボット」というウイルスも現れている。最初のウイルスが発見されてわずか半年で、パソコン同様に高度なウイルスが出現している。

 他のスマートフォンはというと、今のところAndroidほどの危険はない。例えばiPhoneの場合、アプリの公開にはアップルの審査が必要。怪しいソフトは審査をパスできないため、公開されたアプリは安全性が保証されている。

 Androidアプリは、開発が容易で自由に公開できるというメリットがある半面、ウイルス作成者もその点を悪用できる。また、Androidは国内・海外を問わずユーザーが急増している。米国市場をOS別に見ると、すでにAndroidがスマートフォンの中で最大のシェアを持つOSになったという調査結果もある。今後もユーザー数を伸ばしていくと、狙われる可能性もますます高くなる。

 こうした脅威を取り除くために、シマンテックはAndroid搭載機専用のセキュリティ対策ソフトを発売した(図2)。auのように、企業向けに情報漏洩対策を強化したシステムを販売するキャリアも登場している。Android機を使うなら、このようなパソコン同様の対策が必要と心得たほうがいいだろう。

図2 シマンテックが販売する「ノートンモバイルセキュリティ」。Android搭載機をスキャンしてウイルスを検出・駆除する。実売価格は3000円程度[注1]
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[注1]初年度の価格

出典:日経PC21 2011年5月号
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。