内蔵カメラやGPSを装備し、フラッシュに対応

 2010年4月の発売以来、半年を過ぎてなお“我が世の春”を満喫するアップルのiPad。しかし、競合機の登場で、にわかに足下が危うくなってきた。

 iPadに迫ろうと新機種を投入したのは、サムスン、リサーチ・イン・モーション(RIM)、ヒューレット・パッカード(HP)の3社(図1)。さらに、デルやノキアもこれに続くことを表明しており、独占状態の市場は一気に混乱の様相を見せ始めている。

図1 先行する「iPad」を追う後発機種は、いずれもiPadの欠点を調べ上げて開発されており、一回り小型のきょう体や、表裏に備えた2つのカメラ、SDカードスロットなどを武器とする。アドビシステムズの「フラッシュ」に対応しているのも共通点だ
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 この3機種を見ると、どれもiPadより小型で軽量。それだけでも「機能はいいが、ちょっと重い」という評価のiPadに対抗する強力な武器といえる。中でも注目を集めているのは、サムスンの「ギャラクシータブ」。このアンドロイドOS搭載機は、iPadにはない内蔵カメラを表と裏に装備したほか、GPS機能にも対応した[注1]。このように、iPadが非対応のものを始め、機能は盛りだくさん。ビデオ会議もできるし、地図代わりに持ち歩いて知らない場所を訪ねることもできる。アプリケーションソフトは、同社が提供する「サムスン・アップ」のほかに、アンドロイド対応のものも選べる。

 HPの「スレート500タブレットPC」は、Windows 7搭載でビジネス・ユースに重点を置いている。企業内で使われているソフトをそのまま利用できるところがセールスポイント。一般のオフィスワークのみならず、業務用端末として小売業やホテル、医療施設などでの利用も目論んでいる。

 同じくビジネスパーソン向けの携帯端末として人気の「ブラックベリー」からユーザーを取り込もうとしているのは、RIMの「プレイブック」だ。外形寸法はギャラクシータブとほぼ同じ194×130×10ミリ。このサイズはタブレット・コンピューターの標準の1つになりそうだ。

 これら追撃陣は、いずれもディスプレイはマルチタッチ対応。OSはマルチタスクで動作する。アップルがサポートしない、アドビシステムズの「フラッシュ」が使えるため、iPadでは正しく表示できないサイトも問題なく見られる。

 先行するiPadにはない機能を数々装備して登場した“対抗馬”が、iPadとどう戦っていくのか。しばらくは目が離せない市場といえそうだ。

 

[注1]iPadでは、3GモデルしかGPS機能を搭載していない
[注2]サムスンが運営する「サムスンアップ」と、グーグルの「アンドロイド・マーケット」が利用できる
[注3]2011年2月に米国およびカナダで発売予定

出典:日経PC21 2011年1月号
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