AMDがチップの製造部門をGLOBALFOUNDRIESという新会社に移したのは、よく知られた話。でも、GLOBALFOUNDRIESが、とんでもない勢いで膨れつつあることは、あまり知られていない。GLOBALFOUNDRIESの異常な急成長は、32nmから先の過酷な半導体メーカーの競争を生き残るための戦略だ。

GLOBALFOUNDRIESはAMDの4~5倍、製造する計画

 GLOBALFOUNDRIESは、3年後にはPC向けのCPUとグラフィックスチップをすべて製造できるだけの生産能力を持つようになる。えっと思うかもしれないが本当だ。巨人Intelに迫る数のチップを製造できるようにする。そのため、AMD時代には考えられなかった勢いで、製造能力を増やしつつある。

 AMDはほとんどの期間、1つの半導体製造工場(Fab、ファブ)でCPUを製造してきた。GLOBALFOUNDRIESに製造部門を移す前は、ドイツにある「Fab 36」で65nmから45nmのCPUを製造していた。しかし、GLOBALFOUNDRIESは、2012年までに、AMD時代の4~5倍のチップを製造できるようにする。そのために、先端プロセス技術のファブを次々に新設しつつある。

 まず、旧AMDのFab 36は、GLOBALFOUNDRIESの「Fab 1モジュール1」として、そのままAMD向けにCPUを作り続ける。2007年までAMD向けにCPUを作ってきた古い「Fab 30」は、最先端の工場にアップグレードした。さらに、Fab 36の隣に新しいモジュールも建造。その一方で、AMDがニューヨーク州に買ってあった工場用地に、新しく巨大な「Fab 8」を建造する。さらに、昨年買収した大手ファウンドリー(受託生産専門の半導体メーカー)Chartered Semiconductor Manufacturingのファブ群のうち、最新の「Fab 7」を40nmの先端プロセスへと移行させる。

 GLOBALFOUNDRIESが発表しているすべてのFab計画の製造量を合計すると、主力市場向けのCPUやグラフィックスチップなら6億~8億個分になる。1年間に出荷されるPCの数が3億台とすると、すべてのPC分のCPUとグラフィックスチップを製造できる計算だ。GLOBALFOUNDRIESは、ファウンドリーとして、PC以外の市場も含めたさまざまなメーカーのチップ製造を受託して、膨大な製造キャパシティーを埋めていくつもりだ。

GLOBALFOUNDRIESは過去に例を見ないほどの急ペースで先端プロセスの半導体製造工場(ファブ)の数を増やしている。2008年までのAMD時代とGLOBALFOUNDRIES時代を比べると、差は歴然としている
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