Reserch In Motion(RIM)は、米サンフランシスコで11月9日から、BlackBerryの開発者会議を実施しています。BlackBerryは、Javaを使ってアプリケーションが作成できるので、海外では、かなり多くのソフトウエアが作られています。今回は、この会議についてお伝えしましょう。

 今回の話題は、新しい「BlackBerry Software v5.0」(BlackBerryのオペレーティングシステム、以下v5)と、これからの拡張についてです。

 v5は、新しいBlackBerry Bold2(正式にはBold 9700、現行製品はBold 9000)やStorm2に組み込まれて出荷開始されています。Webブラウザーなどを強化。新たにHTMLやJavaScriptだけでソフトを開発できる「BlackBerry Widgets」もサポートしました。

 実際に使ってみると、かなり便利です。いままで表示できなかったWebページも表示することができるようになっていました。レイアウトも、PCのWebブラウザーとほぼ同じように表示できます。BlackBerryのブラウザーは、モバイルデバイスとしては比較的高性能ですが、iPhoneやAndroid系のデバイスのWebブラウザーはかなり強化されていて、これまで残念に思っていました。

 後述するように、v5では今後もWebブラウザーを強化するとのことです。その前段階として、レンダリングエンジンやJavaScriptの実行機能を強化し、Google Gearを利用できるようにしました。Google Gearは、Webベースのアプリケーション(GmailやGoogle Calendarなど)をオフラインでも利用できるようにする技術です。

 Bold2は、現在、国内で販売されているBoldよりも一回り小さく、扱いやすくなっています。v5自体は、既存のBoldでも使えるものを開発中とのこと。技術的には、現在のBoldでv5を使えますが、既存ユーザーに配布するかどうかは、各キャリアの判断になるそうです。

 「v5の発展」をテーマにした基調講演のポイントをまとめると


WebkitベースのWebブラウザーを移植
OpenGL ESの提供
位置情報APIの強化
プッシュや広告、支払いのためのAPIを追加
Adobe Flash10をサポート

となります。このうち、特に期待したいのがWebKitベースのブラウザー搭載です。このためにRIMは、「Iris Browser」というブラウザーを開発していたTouch Mobileを買収しました。

WebKitをベースにしたWebブラウザーを将来提供する予定。そのためにv5は、ブラウザー機能を強化。BlackBerry Widgetsが使えるようになった。
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 WebKitは、iPhoneやAndroidのブラウザーでも使っており、モバイル用ながら高性能なブラウザーを作ることができます。さらに、AdobeのFlashもサポートするため、PCのブラウザーとほぼ同じように利用できます。Adobe Systemsとの提携により、将来的にはAdobe Airでの開発も可能になるそうです。Airは、Flashを使って単体で動作するアプリケーションを作る環境です。最近は、これを使ったアプリケーションも出てきました。

 OpenGL ESは、アプリケーションから3次元表示を行うためのライブラリーです。これを使うことでリアルなゲームなどの開発が可能になります。基調講演では、「Need for Speed SHIFT」が動作するところを見せていました。

Adobe Systemsとの提携により、Flash10の移植が決定。また、Adobe Creative Suite(PhotoShopなど)で、アプリケーションで利用する画像の生成が簡単にできるようになるという。そのほか、DreamweaverでのWidgets開発も可能だ
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基調講演のスライド。v5では、OpenGL ESのサポートを予定している。これによりゲームなどの移植が簡単になる
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 開発者向けツールなどの話もありました。話題となっていたのは、アプリケーションの画面を設計するためのGUI Builderの提供についてです。この話が出た時には、会場が拍手の渦に包まれました。これまで、開発者のみなさんはよほど苦労していたのだと思います。

 Javaの開発には、Eclipseを使い、そのためのプラグインを提供します。Widgetsの開発には、Visual Studio(Web Developer)用のプラグインを提供するとのことです。

BlackBerryの開発環境はEclipseが主流になりつつある。Eclipse 1.1用のプラグイン(ベータ版)も提供を開始。GUI Builderの提供も発表し、デモも見せていた
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 また、BlackBerryの画面に表示する「テーマ」を作るためのTherme Builder V5.0も提供。BlackBerryのアプリケーションを配布するApp World(残念ながらNTTドコモのBlackBerryでは使えません)で、テーマを配布することが可能になるようです。

 日本では、まだ、Bold2も発売されていないので、実感がわきにくいですが、今後のことを考えるとBlackBerryも結構期待できそうです。まずは、現行のBoldがv5にアップグレードできることを期待します。

 できれば、App Worldにも対応して欲しいところです。この開発者会議では、専用のアプリケーションが配られて、それを使うとBlackBerryからセッションのスケジュールなどを管理できるのですが、これはApp Worldからダウンロードしなければなりません。残念ながら筆者はこれを使うことができませんでした。

 そのほか、セッションでは、いろいろとおもしろい話が聞けました。興味深い展示もありましたので、またご紹介したいと思います。