12.1型の画面で実用性も十分

 今やパソコン市場の約25%を占めるネットブック。しかし、実際に使ってみると、10インチ前後の画面は非常に小さく、ExcelやWordのファイルを編集するときもイライラさせられる。この夏の新製品では、そんな弱点を解消すべく、画面の大きい12.1型ノートが続々と登場している(図1)。ネットブックの画面サイズに不満を感じる人に最適だ。

画面は12.1型、“第3のモバイルノート”が登場

【ネットブックと高級モバイルの“イイトコ取り”】
図1 5万円前後のネットブックと、20万円前後の携帯ノートの中間に位置する“第3のモバイル”が増えてきた。OSはXPが多く、画面は12.1型と大きめだが、持ち運びも十分可能だ。価格も10万円以下と手ごろ

 アスースはこの5月、12.1型液晶の「S121」を発売(図2)。バッテリー駆動時間は8時間と長めで、価格は9万円前後。液晶の解像度は1280×800ドットで、仕事にも使えるサイズだ。日本HPは4月、同サイズの「dv2」を7万円台で発売。本体にマグネシウム合金を採用した、薄型で軽量なモデルだ。また、デルはすでに昨年秋から12.1型のネットブック「インスパイロン ミニ12」を販売中。価格は6万5000円前後と他社と比べても割安で、キーピッチも17.5ミリと十分確保しており、実用性は高い。

図2 アスース「S121」は、8時間駆動するバッテリーがウリ。8秒で起動する独自OSなど、格安ネットブックにない機能を備える。日本HPの「dv2」は、OSはVistaだが、メモリーを2GB搭載し、グラフィックス性能を向上させた。値ごろ感と実用性が魅力のお買い得モデルだ[注]
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 この3製品には12.1型という画面サイズだけでなく、「低価格」「軽量」という共通点がある。これまで、携帯ノートの市場は、安価なネットブックと実売20万円以上の高級ノートに二分されていた。今回の3製品は、まさにその中間的な存在。価格や基本性能はネットブックとほぼ同じだが、画面サイズは高級ノートと同じ。両者のイイトコ取りをした“第3のカテゴリー”と言える。

 この製品群の最大の強みは、出先でのモバイル用途と、自宅での据え置き型の「一台二役」で併用できること。これ以上画面が大きいと持ち運びには不便だし、これ以上小さいと画面が狭くて仕事には使えない。携帯性と実用性を兼ね備えた絶妙なサイズなのだ。

 他社よりいち早く12.1型の低価格ノートを出したデルでは「ネットブックが普及した当初から、モバイル用途だけでなく、家庭内で利用する人も多いと想定していた」(デル広報本部)という。また、昨年よりも液晶パネルの価格が下がっていることも、大型化への追い風となっている。

 現在、第3のモバイル製品は海外メーカーのみだが、国内メーカーが追随する可能性もある。高級モバイルとネットブックの両方に参入している東芝の開発担当者も「商品化が可能かどうか、市場の分析を進めている」という。12.1型の低価格ノートの登場により、モバイルユーザーの選択肢は一段と広がってきた。

 

[注]アスースの「S121」は5月下旬発売予定。また、日本HPの「dv2」は店頭モデル(実売6万円前後)もある。なお、図2の製品については、「5万円対決!ネットブック vs A4」でも詳しく紹介している

出典:日経PC21 2009年7月号
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。