HDDとの価格差わずか1万円の製品も!

 就職・進学シーズンに向けた、2009年春モデルのパソコンが出揃った。この春商戦最大のトピックスは、ノートパソコンにSSDを搭載したモデルが増えたこと。各社とも搭載機種を大幅に増やしている。

 中でも、最も力を入れているのが東芝。店頭モデルのSSD搭載機を、これまでの1機種から3機種に増やした。高級モバイルノートの「dynabook(ダイナブック)SS RXシリーズ」に加え、20万円以下のモバイルノートやネットブックにもSSDを搭載(図1)。東芝だけでなく、ソニーや富士通も、モバイルノートを中心にSSD搭載モデルを複数機種で発売している(図2)。価格も20万円を切る製品が増え、“高嶺の花”だったSSD搭載パソコンが手の届く価格に下がってきた。

図1 SSDは、大容量化・低価格化が急速に進んでいる。東芝のモバイルノート「dynabook SS RX2」は、SSD搭載モデルとHDD搭載モデルの価格差を3万円に縮めた
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図2 SSDはHDDよりも軽量で、消費電力が少ないのがウリ。搭載する機種も増えて、10万円台で購入できる製品も出てきた。対応製品はますます増えていくだろう
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 注目すべき点は、HDD搭載モデルとの価格差だ。例えば、ダイナブック SSシリーズは、2007年の秋にはHDDとSSDで15万円もの価格差があった。しかし、最新モデルの価格差はわずか3万円。他の普及機では、HDDとSSDの価格差がわずか1万円の製品もある。「SSDの認知度を広げるために、実際の部品コストの差額よりも、製品価格の差を縮小し、戦略的な価格設定をした」(東芝 PC&ネットワーク社 PC第一事業部の荻野孝広参事)という。

 SSDの長所はHDDより軽量で、起動が速いこと。また、消費電力が少ないため、バッテリーも長持ちする。これらの特徴はモバイルノートで大きくものをいう。ただし、HDDに比べ、記録容量は少ない。モバイルノートのHDDは160GB前後であるのに比べ、SSDは64~128GB前後。価格もHDDに比べて割高で、これが普及を妨げる要因になっていた。

 しかし、昨年秋ごろからSSDに使われる「NAND型フラッシュメモリー」の価格が急落。メーカーが生産体制を強化したにも関わらず、需要が世界規模で減少したため、大きく値崩れしたのだ。

 現在、東京・秋葉原では、SSDの価格は64GBで1万4000円前後から。HDDと比較するとまだ割高感があるが、「価格は1年に40~50%のペースで下がっている。来年には128GBが主流となるのでは」(サンディスクOEM事業部の千田耕作アカウントマネージャー)という声もある。このテンポで低価格化が進めば、HDDとSSDが価格面で肩を並べる時代が、意外と早く訪れるのかもしれない。

[注]各メーカーのURLは、ソニー(http://www.vaio.sony.co.jp/)、富士通(http://www.fmworld.net/)。なお、ソニーの掲載した機種のSSD搭載モデルは、直販サイトでのみ購入可能

出典:日経PC21 2009年4月号
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