米アップルはiPhone 3G向けに2008年8月19日からファームウエア バージョン2.0.2の提供を始めた(図1)。iPhoneをパソコンやMacintoshに接続すると、iTunes経由で適用される。ファームウエアが具体的にどのような修正を加えるのかについては、アップルは「不具合の修正」としており、詳細は不明だ。

図1 iPhoneのファームウエアのアップデートを促す画面
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 米国ではファームウエアのアップデートによって、かねてから指摘されていたiPhone 3Gの通信速度の遅さが改善したというレポートがあがっている。米国では3Gネットワークのカバー率が低いことが原因だったようで、国内ではデータ通信の速度よりも、通話時の電波の安定性や電波そのものの受信感度の悪さが指摘されている

 PC Online編集部では、スタッフが所有するiPhoneでファームウエアのアップデートを行い、それらによってどのような点が改善されているのかをヒアリング調査した。通信速度に関しては、アップデートの前後でどのように変化したかをテストした。

体感ベースでは日本語入力の高速化を実感

 まず、改善が見られたという声が多いのが日本語入力だ。

 PC Onlineでモバイル機器の入力性能の評価記事を連載している栃尾江美氏は、「キーボードの立ち上がり、Googleマップで検索する際の最初の数文字はまだまだ遅いが、通常用いているQWERTYキーボードでの入力が速くなったような気がする」と感想を述べている。ビジネス向けパソコンの評価記事を連載中の柳谷智宣氏は日本語入力の高速化に加え、「各種アプリケーションやブラウザー『Safari』が強制終了する頻度が下がった」としている。

 国内では3Gが普及していることもあり、データ通信速度に対する不満の声は相対的に小さいが、テストの結果を見ると改善が加えられているように推測される。

 ファームウエアのアップデートおよび、通信速度のテストは2008年8月20日、東京都中野区と埼玉県さいたま市で行った。通信速度の計測はiPhone用アプリケーション「Speedtest」を使った。データ通信速度は、周囲の環境や電波状態に影響を受けるため、今回のテストはあくまでも参考としての数値であることをあらかじめ断っておく。

 まず、中野区で行ったテストでは、ファームウエアのアップデートを行う前のダウンロードの通信速度を2回計った平均が1.305Mbps。アップデート後では1.405Mbpsになり、若干改善した。

 さいたま市で行ったテストでは、iPhoneのファームウエアが、今回提供されたファームウエアの2世代前だったので、7月に行われた2.0.1のファームウエアアップデートに含まれていた内容も今回のアップデートで合わせて適用されたと思われる。アップデート前のダウンロード速度は0.65Mbps(図2)、アップデート後は1.24Mbpsへほぼ2倍の速さに改善した(図3)。

図2 アップデート前のダウンロード速度を計測したところ

図3 アップデート後のダウンロード速度を計測したところ

 なお、iPhoneでは今回紹介したファームウエアのアップデートとは別に、「キャリア設定の更新」という項目が提示されるケースがある(図4)。この「キャリア設定の更新」についての詳しい情報は明らかになっていない。

図4 ソフトウエアアップデートとは別に行われる「キャリア設定の更新」が何をしているのかは不明