いつの間にかパソコンに感染し、被害をもたらすコンピューターウイルス(以下、ウイルス)。その脅威はとどまるところを知らない。例えば最近では、Windowsの脆弱(ぜいじゃく)性を悪用するウイルス「ダウンアド(DOWNAD)」が猛威を振るっている。2009年1月中旬には、世界中で900万台のパソコンにこのウイルスが感染していたという。

 「自分はウイルス対策ソフト(セキュリティ対策ソフト)を使っているから大丈夫」と思っているユーザーは、取りあえず図1を見てほしい。これは、代表的なウイルス対策ソフト7製品で実施したウイルス検出テストの結果の一例だ。いずれの製品もほぼ100%近い検出率だったが、100%でないという点が問題。いずれも数個から十数個のウイルスを見逃していた。つまり対策ソフトは有効ではあるが、万全ではない。対策ソフトさえ使っていれば安全だった時代は既に終わった。

図1 ウイルス対策ソフト7製品を使って、2008年10月に日経パソコン編集部で実施した検出率テストの結果例(2008年11月24日号58ページから)。セキュアブレインが2008年4月から10月までに収集した5285種類のウイルスを用いた。いずれの製品でも99%以上の検出率だったが、100%の製品はゼロ。いずれも複数のウイルスを見逃している
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 なぜ対策ソフトで検出できないウイルスが存在するのか?それは、ものすごい数のウイルスが日々出現しているためだ。

 図2のグラフを見ると、近年の急増ぶりが分かるだろう。これはAVTest.orgが調査した、新種ウイルス発見件数の推移だ。初めて1万種類を超えたのが1991年で、その後しばらく1万から3万台を上下。1997年に13万種類と急増し、2004年まで十数万台を増減していた。さらに激増するのが2005年以降。2005年には前年の2倍以上となる33万種類、2006年には97万種類、そして2007年にはその5倍以上となる549万種類に至る。2008年についてはAVTest.orgは未公表だが(2009年1月時点)、セキュリティ企業の中には2007年の3倍以上になると見積もっているところもある。

図2 ドイツのコンピューターウイルス検査機関「AV-Test.org」が確認した新種ウイルス件数の推移。2007年には549万件に達し、それまでの20年間で確認された数の2倍にあたる新種が1年間で出現した
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