最近は、音楽CDをパソコンに取り込んで、携帯音楽プレーヤーで聴くのは当たり前。有料の音楽配信サービスを通じて楽曲を購入する機会も多い。このとき面倒なのは、パソコンで音楽を取り込んだら、携帯音楽プレーヤーと「同期」させないと、外出先で聴けないことだ。音楽ファイルを保存したパソコン以外で再生するのも簡単ではない。

 この不便さを一気に解消する「クラウドミュージック」のサービスが、米国で始まっている。パソコンにある音楽ファイルを丸ごとオンラインストレージにアップロードし、自分が使うほかのパソコンやスマートフォンなどで再生できるようにする(図A)。米アマゾン・ドット・コムが先行していたが、米アップルと米グーグルも試験運用を経て2011年11月に正式サービスを開始した。

●アップロードした音楽がどこでも聴ける「クラウドミュージック」
図A 2011年に、米国で相次いで「クラウドミュージック」のサービスがスタートした。自分のパソコンからアップロードした音楽や、音楽配信サイトから購入した音楽を全てオンラインストレージに保存し、自分のパソコンやスマートフォンで聴けるようにするサービスだ
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 グーグルの「Google music」は、パソコンの「iTunes」フォルダーに保存された曲を自動的にアップロードする(図B、図C)。2万曲までの音楽ファイルを無料でオンラインストレージ上に保存できる(図D)。これは、1曲5MBで計算すると100GBもの容量になる。

●2万曲まで無料でアップロードできるGoogle music
図B 「Google music」では、パソコンに入っている「iTunes」フォルダー内の音楽ファイルが自動でアップロードされる。グーグルが新たに始めた音楽配信サービスから購入した曲も保存できる
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図C 保存した曲はWebブラウザーで再生できるほか、iPhoneやAndroid搭載スマートフォンでも再生できる
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●米国では大手企業が相次いで参入
図D 米アップルの「iTunes Match」は、iTunes Storeにある曲とユーザーのパソコン内にある曲を比較し、同じ曲がある場合はアップロードせずにiTunes Storeにある高音質ファイルを再生する。アマゾン・ドット・コムのサービスは、Amazon.com内のMP3ファイル販売サイトと連携しており、電子書籍専用タブレットの「Kindle」でも利用できる
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著作権上の対処が必要

 このサービスを実施するには、国ごとに音楽著作物の利用許諾が必要になる。アップルは、米国に加えて英国やドイツなど17カ国でもこのサービスを開始した。レコード会社などとの交渉で許諾が下りれば、日本でも実現する可能性がある。

出典:日経パソコン 2012年1月23日号
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