今回はWebブラウザーの「Internet Explorer 9」(IE9)を紹介します。

 スマートフォンにおいて、Webブラウザーの占める位置は高くなっています。スマートフォンでパソコン用サイトを閲覧できることにより、ユーザーによっては、パソコンよりもスマートフォンでWebブラウザーを利用する時間の方が長くなっているほどです。

 Windows Phoneの前身であるWindows Mobileに搭載されているIEは、お世辞にも快適とは言えないものでした。動作速度は遅く、表示がうまくできないWebページもありました。対応としては、パソコンのWebページを閲覧するのを諦めて、iモードなどのモバイル用に最適化されたWebページにアクセスする方法で、ユーザーはWindows Mobile上のIEの欠点を埋めていました。

 この流れを大きく変えたのは、iPhoneに搭載されている「Safari」です。パソコン用のWebページをモバイルの狭い画面でも表示できます。拡大縮小もスムーズです。SafariがHTMLの描画に使っているエンジン「WebKit」は、Android内蔵Webブラウザーも使っており、モバイルブラウザーの主流になりつつあります。

 iPhoneやAndroidだけでなく、Windows PhoneにおいてもWebブラウザーのポジションが重要なのは変わりません。その期待に応えるべくWindows Phone 7.5で搭載されたのがIE9です。HTMLの描画に使うエンジンはは、パソコン用のIE9と同じものです。最新のHTML規格「HTML5」にも対応し、GPUによるレンダリングにも対応し、高速描画が可能となっています。

 実際の使用感としては、3G回線においても、パソコン用のWebページを高速に表示できます。機能として、複数のWebページを同時に開く「タブ」機能があります。画面に表示するWebページを切り替える際には「タブ一覧」を表示し、表示されるサムネイルを選びます。また、「デスクトップ用サイト」と「モバイル用サイト」の表示選択ができます。「ページを共有」機能を使うと、開いたWebページのURLをTwitterやFacebookに投稿したりメールで送ったりすることができます。ページの縮小拡大は、ピンチイン/ピンチアウトやダブルタップで操作します。動画サイトの表示も可能で、YouTubeの動画はIE9上でそのまま表示できます。

「Internet Explorer 9」の表示例
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拡大縮小もスムーズに行えます
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タブ切り替えはサムネイルにて行います
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ページ共有機能にて、TwitterやGmailにて開いているWebページのURLを共有できます
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 さらに新しい機能として、開いているWebページを、Windows Phoneのスタート画面(ホーム画面)に登録する機能があります。スタート画面のタイルアイコンとして、登録したWebページのサムネイル画像を設定できます。また、このサムネイル画像は表示しているWebページの上部3分の2程度のエリアをキャプチャーするため、Webページのロゴの部分などを拡大してからスタート画面に登録すれば、サムネイルをアイコンっぽい感じにすることもできます。

スタート画面に登録例。登録したいページのタイルアイコンで切り出したい部分を拡大します
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「スタート画面に追加」を選択すると、ページが切り抜かれて、スタート画面に登録されます
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 いろいろと機能満載のIE9ですが、何といっても使っていて気持ち良いのが、動作速度です。起動時の待ち時間はほとんどなく、Webページも次々と表示していけます。拡大縮小もスムーズに行えます。複数のモバイルデバイスを利用している筆者は、Webブラウザーを利用する場合は迷わずWindows Phoneを選択してしまうほどです。

 また、「bing検索」も秀逸です。本体右下にある「検索」ボタンを押すことでbing検索の画面が表示されます。キーワードで検索すると、キーワードに関連するWebページの一覧を表示する「ウェブ検索」と、関連する画像を一覧表示する「画像検索」を表示可能です。それぞれの結果は、画面をスワイプすると切り替えられます。また、「Bing Vision」という機能でQRコードやバーコードの読み取りに対応しています。bing検索の画面の一番下にあるアイコン(目のマーク)を選択すると、バーコード読み取り画面となります。この機能で読み取った情報をOCRで読み取り、その情報を使ってテキストを翻訳したり検索に使ったりすることも可能です。

「bing検索」の画面。なおトップ画面の壁紙には、その日のトピックス的な画像が表示され、□アイコンで表示された部分をタップすると、画像の情報が表示されます。毎日トップ画面を見るだけでも楽しめます。
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検索結果画面の例
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画像検索はサムネイルにて表示されます
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「bing検索」の設定画面
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 Windows Phoneは、リリース直後ということもあり、提供されているアプリがまだまだ少ない状況ではあります。ただ、IE9の動作や操作が快適なため、、「Google+」「Facebook」「Twitter」などWebブラウザーで代用できるサービスならば、アプリを使わなくても十分楽しめます。

 IE9を利用したいがためにWindows Phoneを購入するという選択肢が考えられるほど、モバイル端末用のWebブラウザーとして完成度が高いと言えます。

 次回は、マイクロソフトのクラウドサービス「SkyDrive」との連携をご紹介します。