ワープロソフトで文字列を選択して書体を指定すると、その書体に瞬時に変わるし、サイズを指定すると、その大きさで表示される。ごく当たり前のことなので、最近ではあまり意識されなくなっているが、文字の書体やサイズを自由に変えられるのは、文字の字形デザインのデータを収めた「フォント」が裏方として働いてくれているからだ。

 そもそも、パソコンなどの情報機器の内部では、文字を1文字ごとに異なる番号が振られた文字コードとして扱う仕組みとなっている。文字コードには、歴史的な理由からJIS漢字やUnicodeなど、何種類かの規格がある。

 例えば、「日経パソコン」という6文字をUnicodeで表現すると「65E5」「7D4C」「30D1」「30BD」「30B3」「30F3」といった4桁の16進数が6つ並んだ状態となる。

 コンピューターは人間のように簡単には形で文字を区別することができないため、文字を数字の並びとして扱っている。これはコンピューターには都合がよくても、単なる数字の並びだと、人間にとってはいささか都合が悪い。そこで、コンピューター内部に記憶している文字を画面に表示したり、プリンターで印刷したりする際には、フォントに収められている大量の字形デザインの中から文字コードの並びに該当する字形デザインを見つけ出して1文字ずつ表示・印刷するのだ(図1)。

【フォントは文字の字形デザインの集まり】
図1 コンピューターでは文字を1文字ごとに異なる固有の番号が振られた「文字コード」として扱う。画面上に文字を表示するにはアプリケーションが指定した「フォント」に収録されている数百~数万字分の字形デザインの中から該当する文字コードの字形デザインを見つけ出して1文字ずつ描画する仕組みとなっている
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 Windowsが標準で備えているのはCenturyやTimesNewRomanといった欧文用フォント、MS明朝やMSゴシックといった日本語用フォントだ。前者には英語やフランス語、ドイツ語などで使われるアルファベットや数字、記号の字形デザインが数百~1000字程度収められているし、後者には日本語で使われる平仮名、片仮名、漢字、記号の字形デザインが数千~1万字程度収められている。

 また、Microsoft Officeやはがき作成ソフトには丸ゴシック体や行書体といったさまざまなフォントが添付されている(図2)が、これらのフォントは添付されていたソフト以外でも利用可能なので、Windowsだけがインストールされているパソコンと、いくつものアプリケーションがインストールされているパソコンとでは、利用できるフォントの種類に大きな差がある。Windowsの種類によって添付されるフォントも異なる。こういった環境による違いについてはその都度、説明するようにしたい。

【目的や用途に応じてフォントを使い分ける】
図2 Windowsに標準添付されている日本語フォントは明朝体とゴシック体の2つの書体だけだが、Microsoft Officeには11種類の書体の日本語フォントが、はがき作成ソフトやラベル作成ソフトには数10種類の書体の日本語フォントが添付されていて、目的や用途に応じて使い分けられるようになっている
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