教材として広く使われているロボット制作キット「教育版レゴ マインドストーム」。この最新版である「EV3」が、2013年9月に発売される。日本での代理店であるアフレルが2013年4月25日、EV3の体験会を報道機関向けに開催した。

 レゴ マインドストームは、ブロックを組み立てて作ったロボットに自作のプログラムを組み込み、動作させられる製品。小学校における「総合学習」や中学校の「技術・家庭」、高校の「情報」などの教科や、大学の工学部でのソフトウエア開発教育まで幅広く採用されている。企業の研修用教材としての採用も多い。

 EV3は、現行版である「NXT」の数百倍のメモリーを備え、無線LANなど新たな通信機能にも対応する。従来に比べて「さらに幅広い使い方が可能になる」(アフレルの小林靖英社長)。

アフレルの小林靖英社長
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 今回開催された体験会では、車両型のロボットを制御し、黒い線に沿って走らせるという課題が用意された。ロボットには、タッチセンサーやカラーセンサーなどが付けられている。ここから得られた値を使って、ロボットを制御させる。

「教育版レゴ マインドストーム EV3」で作られたロボット。物体との接触を検知できるタッチセンサー、色を認識するカラーセンサーなどが付いている
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 プログラミングには、専用のソフトウエアを用いる。プログラミングといっても、プログラミング言語を操る必要はない。モーターを回転させる、センサーの値を取得するなどの動作を示すアイコンを並べることで、プログラムを組み立てる。

 まず取り組んだのは「3秒間まっすぐに走らせて止まる」というプログラム。当該のアイコンを画面上に置き、動作させる秒数やモーターのパワーを設定するだけで完了。ロボットとパソコンをUSBケーブルで接続してプログラムを転送すれば、すぐに動かして動きを確かめられる。

 次は、センサーから得られるデータを使う。カラーセンサーを使って床面の色(明るさ)を判定し、黒い部分に到達したら停止させる。まずは、実際にセンサーからどんな値が返ってくるかを確かめる。カラーセンサーが黒い部分の上にあるときは1~2、白い部分の上では70程度の値が返ってきた。

センサーの計測値を確かめているところ。白い部分の上にカラーセンサーがある状態では、「70」という数値が得られる
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 これを基に、プログラムを作成。例えば30や50などの値をしきい値とし、「しきい値を下回ったら止まる」という動作を加える。

 これを応用すれば、ロボットを黒い線に沿って走らせることもできる。基本的には、床面が黒ければ左に、白ければ右に曲がるという動作を繰り返せばよい。こうした条件分岐も、アイコンを使って表現できる。

 曲がる角度やモーターのパワーをどの程度にするかで、ロボットの挙動は驚くほど変わる。実際に動作させて試行錯誤を繰り返しながら、値を調整。特に難関は、コースの右端にある大きなカーブ。記者のロボットはここをうまく曲がりきれずに終わった。

体験会の最後にはレースが行われた
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 スタート直後の直線部分はまっすぐに走らせ、その後は床面の色を細かく判定しながら慎重に走行する、など、時間によって処理を分けることもできる。このようにそれぞれが創意工夫をしながら、もの作りの楽しさや奥深さを学べることが、教育機関でも高く評価されているという。

 EV3の価格は、基本的な部品や機能が使える「基本セット」が4万5150円、基本セットにはないパーツを集めた「拡張セット」は1万4280円。プログラミング用のソフトウエアは、1万4070円。

 2013年5月8日から予約を受け付ける。予約者には、正式発売に先立つ2013年8月に出荷するという。全国100カ所で体験会も開催予定だ。

■変更履歴
記事公開当初、プログラミング用のソフトウエアの画面を掲載していましたが、開発中で今後変更が加わる可能性があるため、削除しました。[2013/4/27 17:00]