米ヒューレット・パッカード(以下HP)は中国・上海で2012年5月9日、10日(現地)、「2012 HP Global Influencer Summit」を開催した。その中でディスプレイ一体型パソコンの歴史と将来について、同社の製品のデザインを担当するステイシー・ウルフ副社長が語った。

 ウルフ氏は、1983年に発売した「HP150」を紹介。タッチディスプレイ、プリンター、パソコンを1つにまとめたまさにオールインワンパソコンだ。「30年前に我々が発売したタッチPC、その当時は美しいとされたベージュのHP150を覚えている人もいるだろう。当時は3995米ドルだった」

 ここからスタートした同社のディスプレイ一体型パソコン。当初は仕事で利用する道具だったが、今では写真を保存したりSNSを利用したりするライフスタイルすべてに関わるものに変わってきた。「ニーズの変化が製品に影響を与えてきた」とウルフ氏。ディスプレイは大型化し、リビングに違和感なく置けるようにスリムにもなってきた。日本市場ではテレビが見られる機種を投入した。

デザインを担当するステイシー・ウルフ副社長
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デザインプロセス
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 市場の伸び率を見ると、2008年は日本など一部の国で普及していたが、中国や米国、欧州などでは思ったほど伸びなかった。2012年になると中国や米国で利用者が拡大。20型、21.5型、23型などディスプレイはさまざまな種類が選べるようになり、価格も手ごろになってきたのが要因だ。

 ウルフ氏は今後、ディスプレイの大きさは多様になると見ている。「テレビをみると60インチ、70インチのモデルが増えており、インタラクティブなスマートTVも登場してきている。生活スタイルや文化、地理的なもので好まれるサイズは違ってくるだろう」(同氏)

 一体型パソコンの特徴であるタッチインターフェースは、昨今のタブレットブームもあり、注目される機能だ。ゲームをしたり、紙のようにデッサンしたり、さまざまな用途に用いられている。ウルフ氏はマイクロソフトが今年秋に発売する新OS「Windows 8」でタッチインターフェースと一体型パソコンは大きく変わるとみている。

1983年に発売した「HP150」
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上部にプリンターを内蔵していた
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歴代の「HP TouchSmart」
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パソコン事業を維持、まずは安定性を持たせる

 メグ・ホイットマン社長は、中国市場に注力していくことを宣言。パソコンの販売台数が米国を抜き、国別販売台数で1位の中国は、HPにとっては最重要市場だ。14型のウルトラブック投入は、14型が人気の中国市場を強く意識したものだ。ただ、パソコン事業の売却騒動、今年3月にパソコン事業とプリンター事業の組織統合など、同社のパソコン事業を取り巻く環境は劇的に変化している。

 ホイットマン社長は、社長就任後、一番気を配ったのは「組織に安定性を持たせること」と語った。人員整理や個人向けクラウドサービスをどう展開するのかなど今後の課題については明言を避けたが、開発研究部門は維持して商品力を高めていくと述べた。

組織の安定性を持たせることに気を配っているという同社のメグ・ホイットマン社長
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