日本デジタルオフィスは12月15日、同社の電子書籍クラウドサービス「DO!BOOK[SV]」をぴあが採用したと発表した。ぴあが12月16日から開始する「ぴあ+〈plus〉」は、同サービスを利用して構築される。DO!BOOK[SV]は、日本マイクロソフトのクラウドコンピューティング基盤である「Windows Azure Platform」を利用する。

 日本デジタルオフィスは2011年8月から、手持ちのPDFファイルを電子書籍に変換してWeb上にアップロードできる電子カタログサービスとして「DO!BOOK[SV]」を販売していた。アップロードした電子書籍はHTML5に対応した形式になっており、パソコンのほかiPad、iPhone、Android、Windows Phone、Kindle Fireなど、さまざまな端末で閲覧できる。今回は、このサービスをWindows Azure Platformと結びつけ、電子書籍のデータをWindows Azure Platformのストレージに保存できるようにした。

 利用者が電子書籍を読むと、その履歴がクラウド環境にあるデータベース「SQL Azure」に記録される。専用の分析ツールを使うと、どのページをどの程度の拡大率で読んだのかといった点も含めて、読者の閲覧状況を詳細に分析できる。

 今後、Facebook内に電子書籍の書棚を表示して閲覧可能にする「Facebookページ組込モジュール」を2012年1月に、Windows Azure内の決済システムを通じて電子書籍を販売できる「決済システム連携モジュール」を同年3月に提供する予定だ。今後1年間で500社、3年間で国内外の1万社に導入されることを目指している。

 映画やコンサート情報などを提供していた週刊誌の「ぴあ」は2011年7月に休刊したが、映画館やライブハウス、舞台などのスケジュールを一覧性の高い誌面で見たいという要望は強かったという。ぴあは、これまでの雑誌作りのノウハウを生かし、自社のデータベースに登録した映画館のスケジュールをPDF誌面化して、DO!BOOK[SV]で電子化する。

 新サービスの「ぴあ+〈plus〉」では、映画館スケジュールを主にまとめた「通常号」と、映画館での配布用に制作した小冊子を電子化した「特別号」、チラシなどのビジュアル素材を中心にまとめた「増刊号」などが読めるようになる。Twitterを通じて読者が誌面の感想を投稿できる機能も備える。閲覧には会員登録が必要だが、当面は無料で提供する。

 ぴあ メディア局映画グループの岡政人氏は、「シネマコンプレックスの上映スケジュールは、前週の興行成績を受けて木曜日の午後に決まることが多く、週刊誌では完全に追い切れなかった。電子媒体ならば的確な情報を提供できる」と、電子書籍化の意義を語った。