AMDは2011年10月12日、高性能デスクトップPC向けの新型CPU、FXシリーズを正式に発表した。「Bulldozer」(ブルドーザー)の開発コード名で呼ばれていた新設計のマイクロアーキテクチャーを採用した製品。デスクトップPC向けCPUは「Zambezi」(ザンベジ)との開発コード名で呼ばれており、AMDは6月にブランド名を先行して発表していた。日経WinPCはFXシリーズの最上位モデルであるFX-8150を入手。性能と消費電力を検証した。

AMDの高性能デスクトップPC向けCPU、FXシリーズ。写真は最上位のFX-8150。
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FXシリーズの裏面。構造は今までと変わらずCPU側にピンが生えている。
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 FXシリーズの変更点は大きく3つ。内部設計の変更、より高速なメモリーのサポート、「Turbo CORE」の改良だ。パッケージは新しい「AM3+」で、Socket AM3+に取り付ける。対応チップセットは発売済みのAMD 9シリーズ(AMD 990FX/990X/970)。既に、Socket AM3+とAMD 9シリーズを組み合わせたマザーボードが多数販売されている。

内部設計を一新、「モジュール」1個で2スレッドを同時に実行

 FXシリーズの内部設計は、Phenom/Athlonから一新した。これまでのAMD製CPUの演算部分は、フェッチ(命令取り込み)やデコード(命令解釈)、スケジューラー(実行する命令の入れ替えなど)に、整数演算とロード/ストア、浮動小数点演算のユニットをそれぞれ3個備える構成を「コア」と呼んでいた。コアを2/3/4/6個内蔵したCPUでラインアップを組んでいた。

 FXシリーズは、1系統のフェッチやデコード、浮動小数点演算ユニットに対して、整数演算ブロックを2系統設ける構造にした。それぞれの整数演算ブロックには、整数演算ユニットとロード/ストアユニットがそれぞれ2組ある。浮動小数点演算ユニットは全体で2個だ。これを「モジュール」と呼び、モジュール全体で同時に2スレッド(スレッドはプログラムの実行単位の一つ)を実行できるようにした。

FXシリーズの内部設計。命令取り込みや解釈は1系統のまま、整数演算のブロックを2系統にして、同時に2スレッドを実行できるようにした。浮動小数点演算ユニットは1系統で、共有する。
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 1つの演算ブロックで2つのスレッドを同時に実行する技術としてはIntelのHyper-Threadingがある。Hyper-Threadingは、ソフトウエアに対する「窓口」に相当する部分を2系統設けることで2つのスレッドを処理できるが、別のスレッドを同時に処理することで演算器の空き時間を埋めて利用効率を上げる技術だ。AMDのモジュールは、フェッチやデコードは共用しながらも、頻繁に使う整数演算ブロックを物理的に2系統備えた点が異なる。AMDはこの整数演算ブロックについて「コア」という表現をしている。モジュールを4個搭載したFXシリーズは「8コアCPU」となる。

 ただ、構造を変更したことで、FXシリーズでは、スレッド当たりに使える演算器の数がPhenom/Athlonから減ってしまった。Pheom/Athlonでは、整数演算とロード/ストアのユニットを3組、浮動小数点演算ユニットが3個使えたが、FXシリーズでは整数演算とロード/ストアが2組、浮動小数点演算はもう一つの整数演算ブロックと共用で2個だ。1スレッドのみの処理だと、同じ動作周波数のPhenomシリーズより遅くなる可能性がある。

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