Intelは2011年9月13日~15日、米国サンフランシスコ市で開発者向け会議「Intel Developer Forum 2011 San Francisco」(IDF)を開催した。スマートフォンやタブレット端末の普及で急拡大を続けるコンピューティング市場に対する戦略を明らかにし、2012年前半に市場投入を予定している次期主力CPU「Ivy Bridge」(アイビーブリッジ、開発コード名)のアーキテクチャーなどを公開した。

 初日の基調講演では、Intelのポール・オッテリーニ社長兼最高経営責任者(CEO)が、これからのコンピューティング環境に対する取り組みを語った。スマートフォンやタブレット端末の普及により、電子メールやWebブラウジング、SNS(Social Networking Service)などの、今までPCで処理してきた「コンピューティング用途」は爆発的に広がっている。「コンピューティング=PC」という図式は崩れ、前述の用途やユーザー体験こそが「コンピューティング」と呼ばれる時代に差し掛かっているとIntelは見る。今後5年間にコンピューティング環境を実現するデバイスが急激に増え、1年当たりに出荷するトランジスターの総数は1万京(1垓、ガイ)を超えると見込んでいるとした。

 Intelは、これらの急激なトランジスター需要に対して、22nm 3Dトライゲートトランジスター技術や、14nmプロセス技術をいち早く採用することで対応していく。また、携帯デバイス市場にも積極的に自社の製品を展開する。Intelは今後、デバイスやプラットフォームに縛られることなく、複数のデバイスがシームレスに連係し、一貫したコンピューティング体験が得られるようになるべきだとして、「コンピュート・コンティニュアム」と呼ぶエコシステムの構築を目指すという。

 その一例として、オッテリーニ氏は、スマートフォンや「iPhone」、タブレット端末とシームレスにデータを共有する「Pair and Share」や、PCでデバイスの連係をとっているときもスマートフォンやタブレットにチャットのリクエストや着信があった場合、PC側で対応できる「Teleport Extender」などを披露した。PCを中心にコンピューティングデバイスの連係を密にすることで、Intelアーキテクチャーの浸透を図る狙いだ。

Pair and Shareによる、PCと携帯デバイスの連係のデモ。
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 その新しいコンピューティング時代を切り開くものとして期待されているのが、Intelが推している「Ultrabook」だ。オッテリーニ氏は、Ultrabookが2011年の年末商戦には市場に投入され、2012年には次世代CPUのIvy Bridgeで普及期を迎えるとした。さらに、2013年に投入予定の新アーキテクチャーCPU「Haswell」(ハスウェル、開発コード名)でUltrabookが完成形になるというロードマップを示した。Haswellでは、プロセッサーレベルのスタンバイ時の消費電力が現行のCore i5よりも30%削減される見通し。新しいシステムレベルの電力管理機能の採用などにより、大幅な省電力化を実現できるとした。

Haswellは、プロセッサーレベルのスタンバイ時の消費電力が現行のCore i5よりも30%削減される。
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スライドに登場したHaswellと、Hasewellのデモンストレーション。
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Haswellを手にするムーリー・エデン副社長。

 Intelは、スマートフォンやタブレット市場にも自社製品を積極的に展開するため、Googleと協業して、AtomをAndroidに最適化していくことを明らかにした。32nmプロセスを採用する次期超低電圧版Atomの「Medfield」(メッドフィールド、開発コード名)ベースの携帯電話やタブレット端末のレファレンスをパートナー企業に提供し始めており、「2012年初頭には、Medfieldを搭載したAndoroid端末が市場に投入される」(オッテリーニ氏)という見通しを示した。

MedfieldベースのAndroid携帯を手にするポール・オッテリーニCEO。

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