天野氏は、ややマニアックな話題として、Intel製SSDの耐久性を調べる方法を紹介した。信頼性の評価について、構造が全く異なるHDDの手法や値を持ち込むのは適切でないとして、Intelは米国のJEDEC(JEDEC Solid State Technology Association、半導体技術協会)と共同で2008年秋頃から耐久性についての仕様を定めてきた。仕様が定まり、2010年9月に「JESD-218/219」としてJEDECでドキュメントにまとまった。そこではSSDに書き込める総テラバイト数(Tera Bytes Written、TBW)を1つの指標にしている。天野氏はIntel製SSDで使える同社のユーティリティーソフトで耐久性を調べる方法のほか、ユーザー自身が、自分の使い方でどれだけ製品寿命があるかを調べる方法を解説、デモした。

JEDECの文書にある耐久性についての仕様の1つ。耐久性は、使い方と温度に依存する。クライアントPC用途と業務システム用途(エンタープライズ用途)に分かれており、一定の条件でデータ化けが無いことや、訂正不能なビットエラーの率(UBER)が基準値を下回ることを定めている。
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天野氏は耐久性を調べる方法を2種類紹介。1つはIntelが提供するユーティリティーソフト「SSD Toolbox」で「Media Wearout Indicator」を見る。これは耐久性を正規化した値で示しており、100からカウントダウンしていく。もう1つは「Timed Media Wear Metric」で、SSDにコマンドを送って計測を開始、ユーザーがSSDに負荷を与えて、その読み書き処理から耐久性を算出するというもの。これはIntel製のツールではサポートしていない。
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テストにはフリーソフトの「S.M.A.R.T. Monitoring Tools」を使う。「smartctl」をコマンドプロンプトから実行し、「0x40」コマンドでまず計測をリセットする。その後、負荷を実行する。「本来はメーカー向けの手法なので、通常は用途に応じた負荷試験をする。英文では1時間とあるが、試したところ2時間くらいはテストした方がよい」(天野氏)。その後、もう一度0x40コマンドを実行して計測を止める。
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計測後にsmartctlで、S.M.A.R.T.の値を表示すると、E2/E3/E4(画面ではそれぞれ226/227/228)に結果が入っている。E2はどれだけ使いつぶしたかを1024分割した値で示す。E3は読み出しの割合。99%なら書き込みは1%。E4は計測した時間。これらから、この負荷試験では8.9年持つと算出できる。「書き込みの割合が増えると耐久性は一気に下がる」(天野氏)。高負荷のベンチマークテストは、通常利用の10倍以上の書き込みを短時間で行うため、普通の使い方ではあり得ない短い耐久性を示すこともあるという。
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SSDのコントローラーに求められる要件として単に速度だけで無く、耐久性、信頼性が重要だとまとめた。こうした耐久性の評価は、一度組む込むと交換が容易ではない(交換作業そのものにコストがかかる)業務用途で特に意識すべきポイントであり、クライアントPCだったら、2年くらい使ったら新しいSSDに買い替えることでリフレッシュする手が使える。
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天野氏はステージの終盤で、人事異動で担当を離れることを明らかにした。自作PCユーザーを意識したこうしたイベントに出演するのは最後になる。
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主催者の呼びかけで、イベントに来たお客さんと記念撮影。

■変更履歴
記事公開時、「TMPGEnc Video Mastering Works 5」のメーカー名を「カノープス」としていましたが正しくは「ペガシス」です。お詫びして訂正します。該当部分は修正済みです。

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