KDDIは公衆無線LANサービスを拡充する。自社スマートフォンのユーザーに向けた公衆無線LANサービス「au Wi-Fi SPOT」を2011年6月末に提供開始し、2012年3月末までにアクセスポイント数を国内最多の10万局とする。スマートフォンの利用者増に伴い3G回線の混雑が激しくなっており、同社は最も混雑する大都市圏を中心に公衆無線LANの整備を進め、3G回線から公衆無線LANサービスへのトラフィック分散を図る考え。

 アクセスポイント数は、2012年3月末までに10万局を目標とする。うち9万局は自社で設置・運営し、残りの1万局はローミング提携による他社アクセスポイントの利用となる。自社運営で9万局というアクセスポイントの規模は、実現すれば国内最多となる。1年間という短期間で設置するための手法として、「新設するアクセスポイントの大半は、モバイルWiMAX経由でインターネット接続する仕組みを考えている。これによりアクセスポイントまで通信ケーブルを敷設する工事が不要となり、短期間でアクセスポイントを新設できる。既存のアクセスポイントも、順次モバイルWiMAX経由での接続に切り替えていきたい」(KDDI 代表取締役社長の田中孝司氏)としている。設備投資額は「数百億円の下の方」(田中社長)という。

 KDDIグループの既存の公衆無線LANサービスとしては、UQコミュニケーションズが「UQ WiMAX」のユーザー向けにオプションサービスとして「UQ Wi-Fi」を提供している。また、2010年10月に子会社化したワイヤ・アンド・ワイヤレスが「Wi2 300」と「Wi-Fiスクエア」を提供している。au Wi-Fi SPOTでは、このうちUQ Wi-FiとWi-Fiスクエアのアクセスポイントも利用可能。Wi2 300のアクセスポイントは、当面は利用できない。

パケット定額制プランの契約者に向け提供、対応OSは当面Androidのみ

 au Wi-Fi SPOTを契約可能な料金プランは、パケット定額制プランである「ISフラット」「プランF(IS)シンプル」「プランF(IS)」。これらの契約者であれば、追加料金不要でau Wi-Fi SPOTに接続できる。またau Wi-Fi SPOTは、専用のAndroid用接続ツールを端末にインストールして接続・認証する仕組みを採っている。このため、当面の対象機種はAndroidを搭載したスマートフォンとなる。「Windows系など、ほかのOSを搭載したスマートフォンへの対応は今後考えていく」(KDDIの説明員)という。暗号化方式はWPA2-PSK AESを採用する。

 接続ツールは、ユーザーの使い勝手を考えシンプルなものとしている。「最初の起動時にサービス内容への同意画面などが出るほかは、初期設定はほぼ不要にした」(KDDIの説明員)として、SSIDやユーザー名、パスワードの入力などを不要としている。また、au Wi-Fi SPOTのエリア内に入ると全自動で接続・認証する自動ログイン機能を備えており、アプリのウィジェットにある押しボタンで自動ログインのオン/オフを切り替え可能。

 自動ログイン機能のアルゴリズムはKDDI系列のKDDI研究所が開発しており、3Gと公衆無線LANの回線状況を比較して良好な方を選択する仕組みとなっている。例えば、公衆無線LANのエリア内ではあるものの、アクセスポイントから遠かったり同時接続ユーザー数が多かったりして公衆無線LANの回線速度が遅い場合、3Gに自動切替することでユーザーの待ち時間を減らすよう配慮しているとする。

下り最大9.2Mbpsのモバイルルーター、緊急地震速報を受信できるフォトフレームも

 KDDIはこのほか、モバイルルーターの新モデル「Wi-Fi WALKER DATA06」(中国ファーウェイ・テクノロジーズ製)を6月上旬以降に発売する。ネットワークに余裕がある場合に、最大3回線を束ねて通信することでデータ転送速度を高める「WIN HIGH SPEED」に対応しており、下り最大9.2Mbps、上り最大5.5Mbpsとしている。また従来製品より大容量のバッテリーを内蔵し、連続待受時間を40時間、連続通信時間を360分に延ばした。同時接続可能な子機は最大5台で、SSIDは2種類設定可能。無線LANはIEEE 802.11b/g/nに準拠する。本体サイズは幅102×高さ56×厚さ15.5mm、重さは112g。

 また、USB接続で下り最大9.2Mbps、上り最大5.5Mbpsの「DATA07」と、緊急地震速報を受信可能なデジタルフォトフレーム「PHOTO-U2 SP03」も6月上旬以降に順次発売する。