Intelは、これまで「Sandy Bridge」(サンディブリッジ)の開発コード名で呼ばれていた新型CPUを間もなく正式に発表する見込みだ。Sandy Bridgeは、現行のCore i7/i5/i3が採用している「マイクロアーキテクチャーNehalem」を拡張し、これまで別のダイ(半導体本体)だったグラフィックス機能を、CPUの演算部分と完全に統合した点が特徴。日経WinPCは、正式発表に先立ち新型のCore iシリーズを入手。性能や消費電力を検証した。

新しくなったCoreプロセッサーとそのパッケージ。CPUやクーラーの外観はほとんど変わらない。このほか別の大型のクーラーもある。
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 Intelは、CPUの製造プロセスとマイクロアーキテクチャーを1年おきに交互に更新する「チクタクモデル」を製品戦略の礎としている。現行のCore iシリーズが採用しているマイクロアーキテクチャーは、2008年に導入された「マイクロアーキテクチャーNehalem」だ。2010年には、同じマイクロアーキテクチャーの製品を初めて32nmプロセスで製造した「Westmere」(開発コード名)を出した。今回のSandy Bridgeでは製造プロセスは32nmのまま、内部の設計を刷新した。

製造プロセスとマイクロアーキテクチャーを交互に更新するIntelの「チクタクモデル」。今回の新CPUは実績のある32nmプロセスで製造した新しい設計の「Sandy Bridge」(開発コード名)だ。
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 Sandy BridgeのベースはNehalemで、DDR3対応のメモリーコントローラーやPCI Express 2.0 x16インターフェースを備える点は現行のCore i7-800シリーズやCore i5-700シリーズと同じだ。上位モデルは、仮想的にコア数を倍にする「Hyper-Threading」も備えている。ここでは詳しく触れないが、CPU内部の命令の流れにも手を入れて、処理の効率を上げている(関連記事:【IDF 2010】総合性能で勝負するSandy Bridge)。

 Sandy Bridgeの大きな変更点の1つは、グラフィックス機能をCPUの演算部分のダイに統合したこと。2010年初頭に正式発表されたPC向けの32nmプロセスのCPUは、32nmで製造したCPUの演算部分と、前世代の45nmプロセスで製造したメモリーコントローラー+グラフィックス機能のダイに分かれていた。要はチップセット機能を1つのCPUパッケージの上にまとめていたわけだ。Sandy Bridgeでは、グラフィックス機能やメモリーコントローラーがCPUの演算部分と同じ32nmプロセスで作られる。グラフィックス機能そのものも大幅に強化している(後述)。

 こうした構造の変更に伴い、キャッシュの構成も変わっている。Core 2シリーズでは2個のコアで1個の2次キャッシュを共有する仕組みだった。続くCore iシリーズ(マイクロアーキテクチャーNahalem)では、各コアが2次キャッシュを備えるようになり、PC向けだと最大6個のコアで3次キャッシュを共有する仕組みにした。

 Sandy Bridgeでは「LLC(Last Level Cache)」という名称のキャッシュをコアごとに備えている。LLCと、チップセット機能の「システムエージェント」やグラフィックス機能はリング状のバスで接続する。このLLCは、少なくともユーザーから見れば、実質的には共有3次キャッシュと同等の存在といえる。

IntelはSandy Bridgeを第2世代のCoreプロセッサーとしている。図はその内部構造。大きな特徴はグラフィックス機能を完全に統合したこと。かつてのチップセットのノースブリッジ機能を「システムエージェント」と呼ぶ。図中の「IMC」はメモリーコントローラー。これまでの共有3次キャッシュの代わりに、「LLC(Last Level Cache)」と呼ぶキャッシュを搭載。グラフィックス機能やシステムエージェントとはリング状のバスで接続する。
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 このほか「AVX(Advanced Vector Extensions)」と呼ぶ256ビット演算用の命令や、Turbo Boostを強化した「Turbo Boost 2.0」の実装もポイントだ。Turbo Boost 2.0ではこれまでのアルゴリズムを見直し、熱的な余裕も考慮して、より高い周波数に引き上げられるようにした。また、従来はノートPC向けCPUだけの機能だった、内蔵グラフィックス機能の動作周波数の動的な変更をデスクトップPC向けCPUにも盛り込んだ。CPUとグラフィックス機能のどちらか一方があまり使われていないときは、もう一方の動作周波数を高めにできる。

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