AMDは2010年10月22日、DirectX 11対応の新グラフィックスチップ「Radeon HD 6870」と「Radeon HD 6850」を発表した。同社初のDirectX 11対応チップとして2009年秋に発表した「ATI Radeon HD 5000」シリーズの後継製品。HD 5000シリーズの設計を踏襲しつつ、DirectX 11関連機能の性能を引き上げたほか、動画再生支援機能などを強化した。搭載ボードの価格は2万~3万円。

「Radeon HD 6870」のレファレンスボード。DVI×2、Mini DisplayPort×2、HDMIを備える。
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Radeon HD 6870の補助電源端子は6ピン×2だ。
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「Radeon HD 6850」のレファレンスボード。クーラーのデザインはHD 6870と共通。
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Radeon HD 6850の補助電源端子は6ピン×1。
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Radeon HD 6850はHD 6870よりも2.5cmほど短い。
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 Radeon HD 6800シリーズは、ATI Radeon HD 5800シリーズの基本設計を踏襲しつつ、改良した。DirectX 11が対応しているポリゴンの自動分割機能「テッセレーション」の性能を5000シリーズから最大2倍に高めたほか、動画再生支援機能をバージョンアップし「UVD3」とした。新たにBlu-ray 3DやDivXのデコードなどもサポートする。立体視も利用できる。従来通り、3画面以上に同時出力する「Eyefinity」や、複数のグラフィックスチップを連動させて描画性能を高める「CrossFireX」に対応する。

 Radeon HD 6870とHD 6850は、それぞれHD 5870やHD 5850に数字は似ているが、いずれもシェーダーを削減して動作周波数を高めたバージョンであり、単純な性能強化版ではない。その分、ボード価格は安くなっている。ATI Radeon HD 5870は、シェーダーが1600個、コアの動作周波数が850MHz、メモリーの動作周波数(転送レート)が4.8GHzだったのに対し、Radeon HD 6870はそれぞれ1120個、900MHz、4.2GHzとなる。

Radeon HD 6870のブロックダイアグラム。SIMDエンジンは14個で、シェーダーは1120個になる。
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 HD 6850は960個、775MHz、4GHz。HD 5850の1440個、725MHz、4GHzと比べてシェーダーが少なく、コアの動作周波数が上がっている。メモリーのバス幅はどれも256ビットだ。一方、ボードの消費電力は下がっている。HD 5870がアイドル時27W、負荷時188Wなのに対し、HD 6870は19W、151W。HD 6850も19W、127Wで、HD 5850の27W、151Wより低い。下にHD 6800シリーズと、HD 5800/5700シリーズの主な仕様をまとめた。

●ATI Radeon HD 6870/6850シリーズとHD 5000シリーズの主な仕様
チップ名称687068505870585057705750
コア動作周波数900MHz775MHz850MHz725MHz850MHz700MHz
SMIDエンジン数14個12個20個18個10個9個
シェーダー数1120個960個1600個1440個800個720個
テクスチャーユニット数56個48個80個72個40個36個
ROP数32個32個32個32個16個16個
メモリー 種類GDDR5GDDR5GDDR5GDDR5GDDR5GDDR5
メモリー 容量1GB1GB1GB1GB1GB512M/1GB
メモリー 動作周波数4.2GHz4GHz4.8GHz4GHz4.8GHz4.6GHz
メモリー バス幅256ビット256ビット256ビット256ビット128ビット128ビット
ボードの消費電力(アイドル時/負荷時)19W/151W19W/127W27W/188W27W/151W18W/108W16W/86W

Radeon HD 6870の主な仕様。シェーダーは1120個で動作周波数は900MHz。メモリーは256ビット幅で接続し、4.2GHz(相当)でデータを転送する。
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AMDはHD 6870の競合として、「GeForce GTX 460」の1GBモデルを挙げる。主要なベンチマークソフトやゲームで10~50%速いとする。
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Radeon HD 6850の主な仕様。シェーダーは960個、コアの動作周波数は775MHz。メモリーは256ビット幅、4GHz(相当)だ。
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HD 6850の競合はGeForce GTX 460の768MBモデル。こちらも最大6割速いという。
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