NVIDIAは2010年3月27日、同社のデスクトップPC向けグラフィックスチップ「GeForce」シリーズの最上位モデルとして「GeForce GTX 480」「同GTX 470」を発表した。既存製品の改良でなく、新たに設計した「Fermiアーキテクチャー」を採用した。NVIDIAのグラフィックスチップで初めてDirectX 11に対応した点が大きな特徴だ。シングルチップの上位機種の更新は、2009年1月に登場した「GeForce GTX 285」から約1年2カ月ぶり。日経WinPCではNVIDIAのレファレンスボードを入手し、ベンチマークテストで性能や消費電力を計測。SLI構成での実力も試した。

 GeForce GTX 480について同社は、「単体チップ搭載モデルで最高の性能」としている。同社の資料によると、GeForce GTX 285と比べて全体的な処理速度は1.5倍から3.5倍、DirectX 9や同10を利用するPCゲームにおいては1.5倍から2倍、同社独自の物理演算技術「PhysX」を利用する環境では2.5倍以上も速いという。DirectX 11で追加された「テッセレーション」の機能も備えており、ATI Radeon HD 5870より高性能としている。テッセレーションは、ポリゴンを自動で分割することで、画面内に描画した物体を元データ以上に精細に見せる機能だ。

 NVIDIAは高負荷時での処理能力が優れている点をGeForce GTX 480の売りの1つとしている。アンチエイリアス処理(画面上の1画素を仮想的に細分化して演算することで描画した物体のエッジを滑らかに見せる処理)は8xか、それ以上での使用を想定した設計。ゲームのタイトルによっては、従来の4xのアンチエイリアス処理と同等の速度で8xを処理できるという。

 グラフィックスチップ内の描画機構を汎用演算に使用するNVIDIAの独自技術「CUDA」(Compute Unified Device Architecture)も、GeForce GTX 285までの仕様より強化した。開発プログラムは従来の「CUDA C」に加えて「CUDA C++」をサポート。PCゲームで遠くの物体や背景をぼかして臨場感を出す演出や、水面の質感の表現などを利用しやすくなったという。

 GeForce GTX 400シリーズのラインアップは、上位のGeForce GTX 480と、性能を落として価格を下げたGeForce GTX 470の2種類ある。米国市場の搭載ボードの実勢価格はそれぞれ499ドルと349ドルだ。

ボード長はGeForce GTX 285などと同等、補助電源は6ピン+8ピン

 GeForce GTX 480のボードの長さは267mm。GTX 295や同285と同じ長さだ。厚さはクーラーを含めて2スロットを占有する。補助電源にはPCI Express用の6ピンと8ピンをそれぞれ1個ずつ装着する必要がある。端子の位置はボードの上部にある。

GeForce GTX 400シリーズは、「Fermiアーキテクチャー」を採用した全く新しい設計のチップ。写真はGeForce GTX 480を搭載したレファレンスボード。
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クーラーは2スロットを占有するタイプ。ボード上部からヒートパイプが突き出したデザインだ。補助電源として6ピンと8ピンが必要になる。
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レファレンスボードの出力端子はDVI-I×2、HDMI×1だった。
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クーラーを取り外したところ。中央がGeForce GTX 480。コアの動作周波数は700MHz。メモリーはGDDR5 SDRAM 1536MB。メモリーのバス幅は384ビット、3.696GHz相当で動作する。
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マーキングの下にある「GF100」はGeForce GTX 400シリーズの開発コード名。「GF」は「Graphics solution based on the Fermi architecture」の略。「100」はGFファミリーのハイエンドを示す数字だという。
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上からATI Radeon HD 5970、同5870、GeForce GTX 295、同GTX 480、同GTX 285。GeForce GTX 480搭載ボードの長さはGTX 295、GTX 285を搭載したボードとほとんど変わらない。
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