全国大手家電販売店のPOSデータを基に、デジタル機器の販売台数や金額情報を提供するBCNは2009年9月9日、デジタル家電の市場動向を発表した。今回発表したのは、パソコン、デジタルカメラ、テレビ、携帯オーディオの4製品の市場動向だ。

 BCNによると、パソコン市場は、デスクトップが2008年12月から2009年8月まで、出荷台数、金額共に前年同月比を下回り続けている。ただ、BCNアナリストの道越一郎氏は「2009年6月を底として、暗いながらも光が見えてきた」とし、新規OSの「Windows 7」でどれだけ後押しできるかにかかっているとした。

 ネットブックの本格的な立ち上がりから一年が経過したノートパソコン市場は、2009年6月から出荷台数が失速。ノートパソコンに占めるネットブックの割合は、2008年末頃から依然3割前後で推移している。ノート全体では、2009年8月の時点で出荷台数は前年同月比110.4%とプラスを保っているが、平均単価は下落を続けている。2008年8月は10万300円だったが、13カ月後の2009年8月には7万8600円と約2万5000円下落となった。ネットブックのメーカー別台数シェアでは、国内メーカー勢が上位に登場。ネットブックが出荷され始めた頃には、台湾アスーステック・コンピューターと日本エイサーの2社が半分以上を占めていたネットブック市場だが、2009年8月はアスース19.7%、日本エイサー16.9%に次いで東芝が13.1%、ソニー9.0%、NEC7.9%となった。

 デジタルカメラは、出荷台数、金額共に6カ月連続で前年同月比割れだが、「回復の予兆はある」という。デジタルカメラ市場の低調は、市場の9割を占めるコンパクトデジタルカメラがすでに行き渡ってしまい、買い替える理由もないため購入が増えなかったとの見方を示した。今後は新しい取り組みのカメラが増え、買い替える理由ができるのでは、という。コンパクトデジタルカメラのズーム倍率は、従来光学3倍が主流だったが光学4倍が主流になった。道越氏は、「単価を維持するには光学10倍以上のズーム機能が必要となってきているため、今後は高倍率モデルが増えるのでは」と分析。ほかにも、毎秒10コマ以上の高速連写機能が多くのコンパクトデジカメに搭載されるようになっている。富士フイルムの3D写真が撮れる「FinePix REAL 3D W1」や、ニコンのプロジェクター付きカメラ「COOLPIX S1000pj」など、新しい試みのカメラの今後にも期待したいという。

 一眼デジタルカメラでは、動画搭載モデルが過半数となった。また、マイクロフォーサーズ規格のカメラが2009年8月に14.2%を占め、存在感を増している。マイクロフォーサーズ規格のカメラ「オリンパス・ペン E-P1」が登場したことでオリンパスイメージングは大きくシェアを伸ばした。パナソニックもマイクロフォーサーズ規格のカメラ「DMG-G1」を発表しており、BCNでは今後、マイクロフォーサーズ規格の新しい市場ができると見ている。

 携帯オーディオ市場では、242週ぶりにアップルが週次シェア首位をソニーに譲った。これは、8月にソニー製品の単価が下落したことでシェアが拡大したため。アップルの敗因は、主力の「iPod nano」だけに頼っていたことだという。さらにBCNは、「主力であるSシリーズの中でも、スピーカーが付属している製品が拡大を後押ししたのでは」とし、ソニーは今順調なスピーカー市場に目をつけて成功したのではないか、と分析した。

 テレビはエコポイント効果が継続しており、2009年8月の出荷台数は前年同月比で152.2%と好調。BCNの道越氏は「エコポイントが2010年3月に終了してからどうなるかが分岐点となる」とし、従来は大型化に軸を置いてきたが、今後はテレビ本体に録画できる機能が多く導入されていくのでは、と語った。