セキュリティ企業の米シマンテックは2009年8月25日、ウイルス(悪質なプログラム)を簡単に作成できるツール「Zeus(ゼウス)」の悪用事例が多数確認されているとして注意を呼びかけた。同社の調べでは、2008年中、Zeusで作成されたウイルスに感染したパソコンは15万4000台以上に上るという。

 Zeusは、ここ数年アンダーグラウンドで出回っているウイルス作成ツール(図1)。個人情報を盗むようなウイルスを簡単に作成できるため“人気”があるという。例えば、感染パソコンのスクリーンショットを取って盗むウイルスや、キー入力を記録して盗むウイルス(いわゆる「キーロガー」)を作成できる。

 そのほか、感染パソコンを乗っ取ってフィッシング詐欺サイトを構築するウイルスや、特定のWebサイトに大量のデータを送信してDoS攻撃を行うウイルス、迷惑メールを送信するウイルスなども作成可能としている。

 2008年中、シマンテックではZeusで作成したとみられるウイルスを7万330種類確認。15万4000台以上のパソコンで感染を検出したという(図2)。これらは同社だけの数字なので、実際のウイルス数や感染パソコン数はもっと多いだろうとしている。

 同社の過去1年のデータでは、「Zeusで作成されたウイルス」に感染したパソコンの台数が最も多かったのは米国で、全体の34%(図3)。2番目は日本で、全体の15%を占めた。以下、英国(10%)、オーストラリア(5%)、カナダ(4%)と続く。