ウィルコムは2009年10月から、最大20Mbpsのデータ通信サービス「WILLCOM CORE XGP」を開始する。本サービスに先駆け、現在はMVNO事業者や一部企業などを対象に、エリア限定の試験サービスを実施中だ。日経パソコンは、WILLCOM CORE XGPの通信端末を入手。実際の通信速度を測ってみた。

 WILLCOM CORE XGPは、マイクロセルなど、PHSの従来の技術をベースに新たに開発した「XGP(eXtended Global Platform)」という規格を採用している。上りと下りの伝送速度は同じで、理論上の伝送速度は最大20Mbps。現時点では、JRの東京、品川、渋谷、新宿、池袋、秋葉原と主要駅を中心に、山手線内の一部エリアで利用できる。

 今回は、ネットインデックス製の「GX000IN」の試作機を使い、東京の丸の内、秋葉原、西新宿、品川のオフィスビル街でテストした(図1)。各所の屋外と屋内で、編集部が用意したFTPサーバーに接続。サーバーからサイズが10MBのファイルをダウンロードするのにかかった時間(下り)と、サーバーに10MBのファイルをアップロードするのにかかった時間を計測して、平均の実効速度を割り出した。加えて、RBB TODAYが提供する通信速度測定サイト「speed.rbbtoday.com」でも速度を測定した。

 その結果は表の通りである(図3)。通信環境による差はあるものの、FTPの転送速度は上りが5M~6Mbps程度、下りが3M~4Mbps程度、RBB TODAYの通信速度測定サイトでは上りが5M~7Mbps程度、下りが5~8Mbps程度となった。

 中でも高速だったのは、秋葉原の屋内である。いずれの数値もほかの場所より高い。通信速度測定サイトで測定した下りの速度は11.39Mbpsだった。ウィルコムによると、WILLCOM CORE XGPの基地局には256QAMという変調方式と64QAMという変調方式に対応した基地局があり、256QAMの方が伝送速度は速い。「通常の実効速度は上下とも8Mbps程度だが、256QAMの基地局につながると11Mbpsを超える速度を得られる」(ウィルコム)という。秋葉原は、このケースだったと考えられる。

 なお、伝送速度が1M~2Mbpsと比較的低い場所でも、通信が途切れることはなく、安定しているため、ファイルの転送やWebサイトの閲覧、動画の視聴などに問題はなかった(図4)。

電車の中でYouTubeを見てみた

 WILLCOM CORE XGPはまだ試験サービス中ということで、「移動しながらの通信については調整中」(ウィルコム)だ。だが今回は、JR山手線の秋葉原から品川まで、電車に乗りながらの通信も試みた。

 JR秋葉原駅のホームに停車中の伝送速度は11Mbps。秋葉原駅から神田駅までの間は、電車走行中も2M~3Mbpsの速度が得られた。「YouTube」にアクセスしてHD動画を再生してみたところ、ストレスなく視聴できた。ただし、新橋から品川までは接続と切断を繰り返す状態。通信は安定しない。品川から新宿間も、ほとんど圏外の状態だった。

 今回使用してみて、WILLCOM CORE XGPの圏内ではかなり快適に通信できると感じた。通信環境が良い場所では、10MBのファイル転送も十数秒で終わる。通信環境があまり良くない場所でも、安定して1M~2Mbps弱の速度が得られるため、Web閲覧やメールの送受信には全く問題がない。

 今後の関心事は、やはり通信エリアと通信料金だろう。2009年7月にUQコミュニケーションズがWiMAXを、8月上旬にイー・モバイルがHSPA+を使ったサービスを開始すると発表している。各サービスはどのエリアで、どの程度の料金でサービスを提供するのか。それが利便性を左右することになる。