マイクロソフトは2009年5月20日、次期OSであるWindows 7について、報道関係者向けの説明会を開催した。同OSは2009年11月までにはコンシューマー向けにリリースされる予定で、企業向けにはさらに早く出荷される見込み。現在はリリース前の最終段階となる製品候補版(RC版)が一般公開されている。説明会では、このRC版をベースに新機能やパフォーマンスに関してデモンストレーションを交えて解説された。そのうち、主にコンシューマーに関係する内容についてレポートしよう。

RC版で過去最高の品質を実現

 冒頭であいさつした同社コマーシャルWindows本部の中川哲本部長は、「長年マイクロソフトでさまざまなプロダクトマネージャーを務めてきたが、どの製品のベータ版、RC版よりも、このWindows 7のRC版は非常に高い品質で提供できている。ユーザーからのフィードバックでも、非常に良い、安定しているという評価をいただいている」と開発の順調さをアピールした。背景の一つには、Windows 7の開発チームが当初からユーザーの声を聞くことを第一に考え、ユーザーが何を望んでいるのか、どんな機能を必要としているのかを調査してきたことが挙げられるという。

Windowsの歴史に触れながらWindows 7の開発アプローチについて語るマイクロソフト コマーシャルWindows本部の中川哲本部長。Windows 7のベースとなる部分がVistaと同じカーネルを採用しているため、ハードやソフトの互換性が高いという利点を強調する
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 中川氏によると、Windows 7の開発はVistaのユーザー調査から始まった。「一番最初に、Vistaのユーザーに対して200カ国で調査をした。1100万人のユーザー、600万台のパソコンからインターネット経由でデータを集め、どういう環境でどのようなソフトを使用しているかを調べた。その中からさらに環境を選りすぐり、1600のインタビューをメールやWebサイトを通じて実施。Vistaの使い方や環境についてヒアリングした。それをベースに、Windows 7をどういうOSにすべきかを200カ国2600ユーザーに対して4万時間にわたって調査。100弱のシナリオを用意して、どのようなシナリオをWindows 7に盛り込むべきかを議論してきた」という。例えば、ビジネスパーソンがノートパソコンを社外に持ち出したとき、どのような形で会社とつながっていたいか、どんな機能が必要かといった検討を繰り返し、機能を洗い出した。実際には約600の機能を作成してテストし、必要な機能を絞り込んだという。

 ユーザーを第一に考える姿勢の例として、日本市場向けにデスクトップの壁紙を追加したことも紹介された。Windows 7にはデスクトップの背景やデザインに「テーマ」が選べるが、その一つとして「日本」というテーマが用意されている。富士山や竹林、桜などの写真を壁紙に設定でき、そのうち桜の写真については、マイクロソフトの日本法人で社内コンテストを実施し、社員が自分で撮影した写真を採用したという。

RC版で追加された壁紙には、富士山や竹林、桜など日本の写真もある。桜の壁紙は、マイクロソフト日本法人が開催した社内コンテストで選定された社員の写真だという
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 なおRC版では、画面の一部に英語表記が残っているが、これは開発プロセスにおいて日本語化の作業が後回しになっているためだと説明する。Windows 7では、先に言語を特定しない世界共通のバージョンを作成した後で、各国語版にローカライズする方式で開発を進めている。その方が、いったん日本語化した機能に変更があった場合に、再度日本語化をやり直すといった無駄を避けられるためだ。もちろん製品版ではすべて日本語化される。

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