セキュリティ企業の米シマンテックは2009年5月8日、2009年4月中に同社が観測した迷惑メール(スパム)の動向を公表した。それによると、「画像スパム(イメージスパム)」に分類される迷惑メールが急増。迷惑メール全体に占める割合が、月平均で16%に達したという。

 画像スパムとは、製品やサービスなどの宣伝文句を画像ファイルにして添付する迷惑メール。画像ファイルにする目的は、迷惑メール対策ソフト(迷惑メールフィルター)を回避すること。

 迷惑メール対策ソフトの多くは、メールの件名や本文に含まれる単語や文章を解析し、その結果を迷惑メールかどうかの判断材料にする。そこで画像スパムは、宣伝文句などを画像ファイルに記載して添付する。画像スパムの多くはHTMLメール。HTMLメールに対応したメールソフトなら、画像がメールの本文中に表示される。

 画像スパムは2006年後半から増え始め、シマンテックの観測では、2007年1月には迷惑メールの52%を占めるに至った。しかしその後、画像スパムの割合は減少。2008年になると、迷惑メール全体の1%程度になった。

 だが、2009年3月下旬ごろから再び増え始め、2009年4月下旬には急増(図1)。2009年4月の平均では、迷惑メールの16%が画像スパムだったという。

 最近の画像スパムの特徴は、リンクを含まないこと。以前は、迷惑メール中の画像などに、宣伝している商品の販売サイトへのリンクが張られていることが多かった。しかし最近では、販売サイトのURLを画像の中に記載し、WebブラウザーにそのURLを入力するよう促すメールが出回っているという(図2)。メールに含まれるリンクを調べる迷惑メールフィルターを回避するためと考えられる。

 そのほかの傾向としては、新型インフルエンザに関連した迷惑メールが多数確認されているという。例えば、新型インフルエンザに効く薬品の宣伝に見せかけて、バイアグラなどを販売するWebサイトに誘導する。

 新型インフルエンザのQ&A集に見せかけた悪質なPDFファイル(PDFウイルス)を添付するケースも確認されている。このPDFファイルにはAdobe Readerなどの脆弱(ぜいじゃく)性を突く仕掛けが施されている。このため脆弱な環境で開くと、中に仕込まれたウイルスが動き出し、パソコンの情報を盗まれるなどの被害に遭うという。