日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は2009年4月8日、2008年10月から2009年3月にかけて実施した「企業IT動向調査2009」の結果を発表した。

 同調査は、1994年から毎年実施しているもので、今回が15回目。企業のIT部門やIT利用部門を対象にアンケート調査とインタビュー調査を行い、IT投資やIT利用の状況を分析している。今回は、東証一部上場企業を中心に、IT部門長あて4000社、経営企画部門あて4000社に、調査票を発送。IT部門から864社(有効回答率:22%)、経営企画部門から746社(有効回答率:18%)の有効回答を得た。

 調査結果からは、昨今の景気後退の影響から、IT予算の削減を余儀なくされている企業の現状が浮かび上がる。2008年度のIT予算額の計画について2007年度の実績と比較すると、57%の企業が増加したと回答した。ところが2009年度の予測については、増加を予測する企業、減少を予測する企業がともに35%であり、「アンケート実施後の経済状況の悪化を勘案すると、実際の2009年度のIT投資は、さらに悪化することは避けられない」としている。予算削減の傾向は、特に従業員1000人以上の大企業において顕著で、2009年度のIT予算減少を予測する企業は43%に上った。またグローバルにビジネスを展開している大企業ほど、新規投資を大幅にカットする傾向が見られたという。

 こうした経済危機の中、IT資産の有効活用や業務の効率化によってコストを削減しようとする意識も強まっているようだ。ITにかかわる12のトピックスについて関心度を尋ねたところ、「サーバーの仮想化」「SaaS/ASP」「NGN(次世代ネットワーク)」「ビジネスインテリジェンス(BI)」など7項目が60%を超える関心度を示した。前回60%を超えたのは「SaaS/ASP」の1項目だったのに対し、テクノロジーやITサービスへの関心が高くなっている。特に「サーバーの仮想化」についての関心度は80%を超え、「コンピューターのリソースを再配分することによるIT資産効率化が経営コストにダイレクトに反映されるため、IT担当者の関心は非常に高い」という。

 パソコンのクライアントOSについても、興味深い結果が見られた。企業内におけるWindows XPの導入割合が50%以上と答えた企業は90%と、前回の78%に比べて12ポイント増加。Windows Vistaが登場して2年以上たつが、企業ではいまだにXPが主流であることが再確認された。Vistaを全く導入していない企業の割合は、前回に比べ28ポイント減少したものの、いまだ58%と半数を超える。Vistaの導入割合が50%以上の企業になると1%に満たない状況だ。さらにVistaの導入時期についても、そもそも導入しないとする企業は38%、2011年以降に導入予定の企業が20%と、Vista導入に消極的な企業が多い。2009年度後半には次期OSのWindows 7が登場する予定なので、「58%の企業がVistaを導入せずに次期OSを待つ『Vista飛ばし』の方針を選択する可能性が高い」としている。