クアッドコアCPU「Core 2 Quad」の新ラインアップとしてIntelが提供を始めた低消費電力版の3モデル。日経WinPCでは、1月22日付で報じた最上位モデルのCore 2 Quad Q9550sに続き、エントリーモデルであるCore 2 Quad Q8200sの評価版を入手し、消費電力を実測した。その結果、通常版であるCore 2 Quad Q8200と比較して、アイドル時、負荷時ともに消費電力に有意な差は確認できなかった。

 低消費電力版3モデルの主な仕様は下の通り。TDP(熱設計電力、実使用上の最大消費電力)が、通常版の95Wより低い65Wとなっている。動作周波数や2次キャッシュ容量などTDP以外の基本仕様は、それぞれCore 2 Quad Q9550、同Q9400、同Q8200と大幅な変更はない。

Core 2 Quadの低消費電力版3モデルの主な仕様。
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 今回のテストでは、前回と同様の条件でCore 2 Quad Q8200sの消費電力を実測。また、前回のテストではCore 2 Quad Q9550sの比較対象としてCore 2 Extreme QX9650を2.83GHz駆動としたものを用いていたが、今回は製品版のCore 2 Quad Q9550を用意し、同じ条件で消費電力を実測した。前回・今回の合計で7モデルのCPUを実測・比較している。テストに使用したパーツは以下の通り。

  • 【マザーボード】GA-EP45-DS3R(GIGABYTE TECHNOLOGY、Intel P45+ICH10R搭載)
  • 【メモリー】DDR2-800 2GB×2
  • 【HDD】WD Caviar Black 1TB(Western Digital)
  • 【グラフィックスボード】ATI Radeon HD 2400 PRO搭載ボード、ファンレス
  • 【電源ユニット】EARTHWATTS EA-430D(Antec、定格出力430W)
  • 【OS】Windows Vista Ultimate Service Pack 1 32ビット日本語版

情報表示ソフト「CPU-Z」により確認した、Core 2 Quad Q8200sの情報。
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同様に、CPU-Zで製品版のCore 2 Quad Q9550の動作状況を確認したところ。
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 システム全体の消費電力を示したものが下のグラフである。負荷時の値は、アプリケーションベースのベンチマークソフト「PCMark05」(Futuremark)で4スレッドを同時に処理する「MultiThreaded Test 2」を実行したときの値と、3D画像レンダリングのベンチマークソフト「CINEBENCH R10」の「Rendering(Multiple CPU)」を実行したときの値の平均値となっている。 グラフの左側がアイドル時、右側が負荷時の消費電力を示す。

日置電機の「パワーハイテスタ3332」で、システム全体の消費電力を測定した。Core 2 Quad Q8200sの消費電力は、残念ながらCore 2 Quad Q8200と有意な差を確認できなかった。
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 前回、Core 2 Quad Q9550sでは通常版と比べ大幅な省電力効果を発揮したこともあり、Core 2 Quad Q8200sにも同様の効果を期待したいところであったが、今回入手した評価用の個体を編集部で実測した限りでは、通常版のCore 2 Quad Q8200とほぼ変わらないという結果となった。念のため、BIOSとWindows Vistaのコントロールパネルの両方で省電力設定を再確認した上でテストを繰り返したが、結果は変わらなかった。

 動作周波数が高くパフォーマンス重視の上位モデルでは低消費電力版が威力を発揮できたが、2.33GHz駆動と比較的低速のCore 2 Quad Q8200では、通常版といえども既に十分に電力が低く、低消費電力版がその威力を発揮する余地は限られそうだ。Core 2 Duoと比較すると、Core 2 Quad Q8200sはCore 2 Duo E8600より若干低く、Core 2 Duo E8500とほぼ同程度という結果であった。

 Core 2 Quad Q8200sの市販価格はまだ明らかになっていないが、Intelが公表しているQ8200sの1000個出荷時の単価(大手メーカー向けの、CPUクーラーを含まないCPU単品の卸価格)は245ドル。一方のCore 2 Quad Q8200は、Core 2 Quad Q8200sの発売に合わせて193ドルから163ドルへ価格改定されている。

 記事執筆時点では、Q8200のパーツショップにおける市販価格は1万7000~1万8000円程度。ここから推測すると、Core 2 Quad Q8200sの市販価格は2万5000~2万7000円程度となりそうだ。省電力効果があまり見込めないことを考えると、8000円近い価格差がある中であえてCore 2 Quad Q8200sを選ぶのは厳しそうだ。

 併せて実測したCore 2 Quad Q9550の消費電力は、Core 2 Extreme QX9650の2.83GHz駆動品よりわずかに低いものの、Core 2 Quad Q9550sの消費電力とは、アイドル時、負荷時とも依然として大きな開きがある。Core 2 Quad Q9550sの省電力効果は、やはり目を見張るものがあるといえよう。

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■変更履歴
測定結果のグラフにおいて、記事掲載当初「Core 2 Duo Q8200s」とありましたのは「Core 2 Quad Q8200s」の誤りです。グラフは修正済みです。 [2009/1/28 12:50]