米AMDは米国時間の11月13日、米カリフォルニア州サニーベール市において投資家向け説明会「AMD 2008 Financial Analyst Day」を開催した。

 説明会では2008年度の実績と今後の経営戦略を公表。その中で、2009年に向けて、Intelの超低価格ノートパソコン向けの「Atomプラットフォーム」対抗となるミニノート向けプラットフォーム“Yukon”(ユーコン:開発コード名)を開発中であることを明らかにした。

説明会で公開した、Yukonの位置づけ。Mini-Notebookよりは、ワンランク上と考えている

 CPUやチップセットビジネスを統括するランディ・アレン上級副社長(Randy Allen, Senior Vice President, Computing Solutions Group)は、現在ノートパソコン市場で急成長を続ける「Eee PC」(台湾ASUSTeK Computer)などの低価格ミニノートパソコンに最適なプラットフォームとして、よりコンパクトなCPUパッケージを実現。プラットフォーム全体のTDP(Thermal Design Power:熱設計電力)を25W前後に抑えたYukonプラットフォームを2009年前半に投入すると表明した。
 
 アレン氏は、現在の低価格ノートパソコンはWeb閲覧やメールなどの用途に限定されており、万人に魅力的なプラットフォームではないとして、AMDは「Yukonで既存のノートパソコンと同等のユーザー体験を提供していく」と、よりリッチな機能と性能をミニノートパソコン市場にもたらす意向を示した。

Yukonの投入は2009年を予定している

 AMDでノートパソコン向けCPUのマーケティングを担当するバール・マホニー氏(Bahr Mahony, Director, Notebook Product Marketing)は、同日行なわれた技術セッションでYukonの構成を明らかにした。

 それによれば、YukonはシングルコアCPUの“Huron”(ヒュロン:開発コード名)と一世代前のチップセットであるAMD690GをベースとするRS690E(開発コード名)の構成となるという。同氏は、Huronはよりコンパクトなノートパソコンを実現できるように、CPUもよりコンパクトなBGAパッケージに変更されると説明。その一方で、Huronが現行のTurionシリーズなどと同じK8アーキテクチャーを採用するかは明らかにしていなかった。

 また、Yukonベースの製品価格については、OEMベンダーのシステム構成によって異なるから言及はできないとしながらも、「現在の低価格ノートパソコンよりリッチなユーザー体験を提供する分だけ、価格が上乗せされてもおかしくないはずだ」と、システム価格的にはIntelのAtomプラットフォームよりもやや高くなる可能性を示唆した。

 CPUの詳細や投入時期など、まだ分からない点は多いが、AMDのYukonプラットフォーム投入により、現在、Atomプラットフォーム一辺倒となっている低価格ミニノートパソコン市場の活性化は期待できそうだ。

 AMDは説明会において、同社が計画しているCPUとグラフィックスチップの統合となる“Fusion”(フュージョン)が2011年に後退すること、45nmプロセスを採用する次期Phenomシリーズが「Phenom II」のブランド名で、2009年1月に米ネバダ州ラスベガス市で開催されるInternational CESで発表予定であることなども発表した。

YukonはHuronとRS690Eで構成するプラットフォームとなる