工人舎は2008年6月24日、小型ノートパソコン2機種10モデルを発表した。7型横長液晶ディスプレイを搭載した「SCシリーズ」6モデルと、8.9型横長液晶ディスプレイを搭載した「SXシリーズ」4モデルである。価格は順に8万9800円から、10万9800円から。発売日はSCシリーズが7月上旬、SXシリーズが7月下旬。

 いずれも、CPUに米インテルの小型機器向け新品種である「Atom」を採用し、一定の処理性能を確保しつつ消費電力の低減とバッテリー駆動時間の確保を図った。一方で、ディスプレイ部への2軸ヒンジ採用、ワンセグ機能やExpressCardスロットの搭載などにより機能面で差異化を図り、台湾アスーステック・コンピューター(ASUSTeK Computer、ASUS)の「Eee PC」など、台湾メーカー各社が発売予定の小型ノートパソコンより高めの価格帯とし、直接の競合を避けている。主に、10~12型程度のディスプレイを搭載した国産モバイルノートからの買い替えを狙うものとみられる。台湾ギガバイト・テクノロジー(GIGABYTE)の「M912X」や、富士通の「FMV-BIBLO LOOX U」と仕様・価格面で並ぶ製品となりそうだ。

 SCシリーズは「SC3KP06A」など6モデル。液晶ディスプレイは7型横長でタッチパネル機能を備えているほか、2軸ヒンジを採用しておりディスプレイ面を外向きにして折り畳むことが可能な、いわゆるタブレットPC仕様としている。CPUはAtomのうち、MID(mobile internet device)やスマートフォンに向けた品種であるAtom Z520(開発コード名:Silverthorne、1.33GHz)。インテルは、小型ノート向けCPUであるAtom N270(開発コード名:Diamondville、1.6GHz)も用意しており、ASUSなど台湾メーカー各社はいずれもこれを採用しているが、工人舎ではあえてMID向け品種を採用したという。「パフォーマンスと放熱量のバランスを考慮した。今回のきょう体にN270を実装することもできるが、それではバッテリー駆動時間が1時間程度と現実的でない数字になってしまう。(MID向け品種を採用すると)CPUの調達コストは上昇してしまうが、当社としては、外出先でもある程度の時間、連続使用できる製品作りを目指した。処理性能については、近年は高い演算性能を求めるユーザーは少なくなっており、大きな問題はないと考えている」(工人舎 商品開発部 開発ユニットII 主任の大石喜章氏)。

 解像度は1024×600ドット。メモリーは1GBで増設はできない。内蔵HDDは1.8型で、容量は60GB。全モデルにワンセグチューナーを内蔵している。インタフェースは、USB 2.0×2、LAN、無線LAN(b/g)、アナログRGB、ExpressCard/34、メモリーカード(SDHC兼メモリースティック)など。バッテリー駆動時間は、標準バッテリーで約3.2時間、別売の大容量バッテリーで約6.4時間。プリインストールOSはWindows Vista Home Premium。外形寸法は幅189×奥行き155×高さ25.4~33mm、重さは798g。

 機能やソフトウエアの違いときょう体色(白または黒)により6モデルを用意。このうち「SC3KP06GA」「SC3WP06GA」の2モデルは上位機としており、きょう体左側に引き出し式のGPSモジュールを内蔵。簡易カーナビソフトもプリインストールしており、現在位置の確認や地図検索、経路検索などが可能。この2モデルはBluetoothモジュールも内蔵している。価格は標準モデル(8万9800円)より1万円高い9万9800円。また、「SC3KP06F」「SC3WP06F」の2モデルは、標準モデルにOffice Personal 2007をプリインストールしており、価格は標準モデルより2万円高い10万9800円。

 SXシリーズはSCシリーズよりきょう体が一回り大きく、液晶ディスプレイも8.9型横長(タッチパネル付き)となっている。解像度は1280×768ドット。液晶パネルはNEC液晶テクノロジー製という。「当社向けにカスタム対応してもらった部分もあるなど、ディスプレイには力を入れている。台湾メーカー各社の低価格ノートが採用している8.9型液晶とは品質が異なると考えている。市場にはほとんど出回っていない液晶パネルの品種だが、そうした(一部カスタム仕様で発注しているという)背景もあり、供給には問題ない」(工人舎の大石氏)とする。

 また、AV機能を意識的に強化しており、他社製品との差異化を図っている。最大の違いは、DVDスーパーマルチドライブ(±R 2層対応)を内蔵していること。また、(1)ワンセグチューナーを内蔵する(2)上きょう体のディスプレイ面に35万画素のカメラモジュールを備えるほか、ディスプレイと反対側に130万画素のカメラモジュールを内蔵する、などの特徴がある。報道関係者向けの内覧会では、市販のDVD映像ソフトを再生し、ポータブルDVDプレーヤーとしても使えることをアピールしていた。

 このほかSXシリーズとSCシリーズでは、インタフェースの種類と個数に違いがある。また、SXシリーズはディスプレイを閉じた状態で上部から100kgの荷重を掛けても壊れないとしている。

 CPUはAtom Z520(1.33GHz)、メモリーは1GBで増設はできない。内蔵HDDは60GB。インタフェースは、USB 2.0×2、LAN、無線LAN(b/g)、アナログRGB、ExpressCard/34、メモリーカード(SDHC×1、microSDHC×1、メモリースティック兼メモリースティックDuo×1)など。バッテリー駆動時間は、標準バッテリーで約4.2時間、別売の大容量バッテリーで約8.2時間。プリインストールOSはWindows Vista Home Premium。外形寸法は幅233×奥行き191×高さ22~33mm、重さは1250g。Office Personal 2007の有無と、きょう体色の違いにより4モデルを用意する。Office付きモデルは標準モデル(10万9800円)より2万円高い12万9800円。

■変更履歴
記事公開当初、一番下の写真の説明で、「天板には滑り止めの合成ゴムを貼っている」と記述していましたが、「展示品では貼っていたが、製品では貼っていない」との申し入れがあり、誤解を避けるために記述を削除しました。 [2008/06/24 11:29]

記事公開時、本文第8段落で「また、SXシリーズは天板に合成ゴムを採用し、過って手から滑り落とすなどの事故を起こりにくくしている」という文章がありましたが、上記訂正と同じ理由により、この記述を削除しました。本文は修正済みです。 [2008/06/24 18:50]

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