日本サムスンは、32型液晶ディスプレイを使用した一般店舗向けのデジタルサイネージ(電子看板)システム「ハルヱとケイジ」を、7月中旬より家電量販店などで販売開始する。予想される実勢価格は約20万円。年間で3000台程度の販売を見込んでいる。

 同製品はディスプレイ、スピーカー、表示システム、ソフトウエア類をパッケージ化したもの。縦置きの32型液晶ディスプレイにキャスター付きのスタンドが付いており、電源コンセントを挿せばすぐに使用することができる。ディスプレイの表示解像度は最大1366×768ドット。1920×1080ドットの画像も表示可能だが、圧縮された状態での表示となる。防水性はないため、一般店舗の屋内店頭での使用が想定される。

 表示システムとして、パソコンとほぼ同等のハードウエアと組み込み用OSであるWindows XP Embeddedを内蔵している。CPUはAMDのAthlon64 X2 3400+(1.8GHz)でメモリーは512MB、グラフィックボードはATi RS780。3つのUSB2.0端子を備えており、パソコンなどで作成した映像データを収めたUSBメモリーを挿し込むだけで、自動的に登録、表示する。映像のデザインとスケジューリングができるソフト「Magic Info Pro」や、ポスター製作用のテンプレート集、サンプル映像集が同梱されている。LAN端子も備えているが、メーカーの保証対象外となる。

 日本サムスンのデジタルプロダクツ事業部部長、DMAチームの宮田隆氏は「製品をすぐに使えるよう、オールインワン設計をしている。薄型なので場所も取らないうえ、ほかに機材を接続する必要もない。専門の業者を頼む必要もなく、一人でも設置は容易」と、同製品についてアピールした。

 発表会には、デジタルサイネージコンソーシアム事務局長で、慶応義塾大学DMC機構研究員である江口靖二氏も登壇し、「デジタルサイネージ概論」と題した約30分間の講演を行った。デジタルサイネージとは、ディスプレイなどの電子的な表示機器を一般家庭以外の場所に設置して情報を発信するメディアであると定義し、渋谷駅前の大型ビジョンやJR山手線車内のトレインチャンネルなどの成功事例を紹介。情報の提供時間、提供場所を特定できる唯一のメディアであり、一度設置してしまえばポスターやネオンなどの看板と比べて張り替えが容易であると説明した。今後は、「インフラコストが低下していることと、店頭マーケティングの重要性が増していることにより、さらに普及が進むだろう」(江口氏)としている。

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公開当初、本文内の社名に一部誤りがありました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/06/19 11:10]