「最新の『インターネット白書』では、日本のブラウザー市場におけるFirefoxのシェアは11.8%。開発者や技術者だけではなく、一般のユーザーにも確実に浸透している」(Mozilla Japan代表理事の瀧田佐登子氏)。Mozilla Japanは2008年6月17日、Webブラウザー「Firefox」の最新版「Firefox 3」の公開に先駆け、Firefoxの現状やFirefox 3の特徴などを解説した(図1)。Firefox 3は世界同時公開。日本時間では、6月18日早朝に公開予定。Mozilla JapanのWebサイトなどからダウンロードできる。

 Firefoxは無料できるオープンソースのWebブラウザー。非営利組織と世界中のボランティアによって構成されたMozillaプロジェクトにより開発・公開されている。その最初のバージョンが公開されたのは、2004年11月。「それまで独占状態だったブラウザー市場に、新たな選択肢を提供した」(瀧田氏)。

 その後、徐々に市場シェアを増やし、現在では世界シェアのおよそ20%、国内では10%以上を占めるに至っているという。その最新版となるのが、日本時間6月18日公開予定のFirefox 3。当初は、2008年5月中に公開されるとの情報もあったが、最終的には6月18日まで延びた。

 Firefox 3の大きな特徴はパフォーマンスの向上。「JavaScriptエンジンなどの強化により、Webページの表示を高速化した。また、使用するメモリー容量を少なくして、軽量化を図った」(Mozilla Japan技術部の中野雅之氏)。

 例えばInternet Explorer 7(IE7)と比較すると、JavaScriptを含むページの解釈・表示に関するベンチマーク(The WebKit Open Source Projectが公開する「SunSpider JS Benchmark」)では9.3倍、Gmailメッセージの読み込みに関するベンチマーク(Mozilla Japanの独自テスト)では6.8倍高速だったという。

 また、使用するメモリー量も削減。Webページのリロード時に、使用メモリーを一部解放するなどの工夫により、「あるテストでは、IE7の使用メモリー量は、Firefox 3の4.7倍という結果が得られた」(中野氏)。

 新機能も多数追加する。代表的な新機能の一つが「スマートロケーションバー」と名付けられた機能。これは、「履歴」と「ブックマーク」を統合した機能。「ロケーションバー(URLを入力する部分)」に文字列を入力すると、今までにアクセスしたWebページの中で、その文字列をタイトルやURLなどに含むページの一覧を表示する(図2)。

 セキュリティ関連の新機能としては、SSLよりも厳格な審査を必要とする「EV SSL」に対応。また、Firefox 2ではフィッシング詐欺サイトへのアクセスをブロックする機能を備えていたが、Firefox 3では、ウイルスなどのマルウエア(悪意のあるソフトウエア)が置かれたサイトへのアクセスを遮断する機能も追加した。

 加えて、NTTと三菱電機が共同開発した国産の暗号アルゴリズム「Camellia」をサポート。Camelliaをサポートするのは、WebブラウザーではFirefoxが初めてとなる。