ウィルコムは、PHS端末に組み込んで使用する通信モジュール「W-SIM」の新製品として、海外で広く使われている第2世代携帯電話のGSM方式に対応した製品を近く投入する。2008年5月26日に開催された新製品発表会において、ウィルコム 代表取締役社長の喜久川政樹氏が日経パソコン誌の取材に対し明らかにした。

 W-SIMの規格はウィルコムが定めており、それに基づいてネットインデックスとアルテルの2社がW-SIMのモジュールを開発・製造している。ウィルコムは2005年にW-SIMの提供を始めており、「W-ZERO3」シリーズなどのスマートフォンや「9(nine)」「nico.」などの音声端末、車載機器や会議システム、防犯ブザーなどに採用されている。PHSの通信機能をモジュール内に集積していることから、機器メーカーが対応機器の開発時に、通信制御にまつわる複雑な回路設計をしなくて済むというメリットがある。

 このW-SIMの仕組みを応用し、ユーザーが現在使っているW-SIMをGSM対応W-SIMに差し替えることで、海外で現地の通信事業者との通信が可能になる。機器メーカーにとっては、仕向け地ごとに通信方式の異なる仕様の機器を開発・製造する手間を減らすことができる。日本市場向けに製造された現行のPHS端末にGSM対応W-SIMを挿して使用することが可能かどうかは不明だが、これが実現すれば、国内市場で人気の高いW-ZERO3シリーズのユーザーが、海外渡航時にもGSM網によるデータ通信が可能になり、利便性の向上が期待できる。

 喜久川氏は「当社自身が開発しているわけではないが、GSM方式やW-CDMA方式のW-SIMの開発が進んでおり、GSMの方は近々発表できると思う」と語り、W-SIMの品種の拡充とそれに伴う対応機器の増加に意欲を示している。同社は5月27日から2日間の日程で自社セミナー/展示会を開催予定としており、この中でGSM方式のW-SIMについても詳細を明らかにするという。