バッファローは、パソコンで地上デジタル放送(地デジ)を視聴するためのチューナーを近日にも出荷する方針を正式に固めた。2008年4月9日、日経パソコンの取材で明らかにした。出荷するのは2機種。USBで接続する外付け型「DT-H30/U2」、PCIスロットに接続する内蔵型「DT-H50/PCI」がある。価格は明らかにしていないものの、日経パソコンの推測では2機種とも2万円前後になるとみられる。既に地デジチューナーの単体発売を公表しているアイ・オー・データ機器やピクセラは、外付け型チューナーを発売することは表明していない。同社は、地上アナログ放送対応のチューナーや、ワンセグチューナーなどを手がけてきた実績がある。

 出荷時期は未定。ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ(B-CAS社)からB-CASカードの支給を受け次第発売したい考えである。早ければ4月下旬~5月になる見通し。

 DT-H30/U2とDT-H50/PCIの仕様は共通。パソコンの画面上で、地上デジタル放送をハイビジョン画質(最大1440×1080ドット)で視聴、録画できる。最大の特徴は、動画データの解像度や圧縮率をリアルタイムに変換できること。そのための専用チップを搭載している。結果として、放送波で受信した番組をすぐさま画質をダウングレードしながら視聴/録画することが可能になる。メリットとして、ハイビジョン番組をより少ない容量で録画保存できることが挙げられる。

 2製品には、ハイビジョン画質のモードに加え、低い画質のモードが用意されている。具体的には、ハイビジョン画質(1080i)のDPモード(ビットレートは放送時のまま)、HPモード(8Mビット/秒)、DVD相当の標準画質(480i)のSPモード(6Mビット/秒)、LPモード(4Mビット/秒)がある。いずれかのモードを、視聴/録画時に選択する仕組みだ。このうちSP/LPモードなら、Celeronクラスの比較的性能の低いCPUを搭載したパソコンでも番組を視聴/録画できるという。通常、ハイビジョン画質の視聴/録画にはCore 2 Duoなど高い性能のCPUが求められる。専用チップで画質を落とすことでCPUの処理負荷を抑えられる。

 本製品を低画質なSP/LPモードに設定すれば、アナログRGB対応のディスプレイしかない環境下でも、地デジ番組を視聴できる。通常、本体とディスプレイが分離したデスクトップ型のパソコンで地デジをハイビジョン画質で視聴するには、パソコンとディスプレイがHDCPに対応している必要がある。ただし、番組を標準画質で表示する限りにおいてはこの制約がない。そのためSP/LPモードであればアナログRGBのディスプレイでも視聴可能となるのだ。

 外付け型「DT-H30/U2」の大きさは、B-CASカードよりわずかに膨らませた程度。横置きで使うほか、付属のスタンドにより縦置きも可能。バスパワー駆動が可能で、パソコンとの間をつなぐ配線はUSBケーブル1本で済む。一方の内蔵型「DT-H50/PCI」は、1スロット幅で収まるタイプ。1枚の基盤上にすべての関連部品を集積してある。

 視聴/録画は、自社開発したソフト「PCastTV for 地デジ」を用いる。従来のアナログ放送/ワンセグ対応の視聴録画ソフトを大幅に改良したもので、「パソコンならではの特性を踏まえ、家電にはない使い勝手を実現した」(バッファロー)という。例えば、電子番組表(EPG)は、1週間分の番組表を一覧できる。表示解像度に制約がないため、高解像度のディスプレイほど、1度に表示できるチャンネルや時間帯が増やせる。

 なお、パソコンが書き込み型の光学ドライブを備えていれば、録画した番組を光学メディア上にムーブし、保存場所を移動できる。DT-H30/U2はDVDのみの対応だが、DT-H50/PCIならDVDに加えBlu-ray Discへのムーブに対応している。いずれも、複数回のコピーを実現する「ダビング10」にも、後日対応する予定だという。

 日経パソコンでは、「DT-H30/U2」「DT-H50/PCI」の実機を入手次第、詳細なレビューをお届けする予定だ。